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「ミリ波対応スマホ」の値引き規制緩和で感じた疑問 スマホ購入の決め手にはならず?

ITmedia Mobile / 2024年11月28日 18時13分

サムスン電子

・Galaxy S24 Ultra

・Galaxy Z Fold6

ソニー

・Xperia 1 VI(※Xperia 1 VIのソニーストア直販版はミリ波非対応)

Google

・Pixel 9 Pro Fold

 記事執筆時点で、2024年度に発売されたミリ波対応端末は4機種にとどまっており、決して多いとはいえない。価格も20万円を上回る高価な機種が多い。消費者に多く手に取ってもらう端末は10万円前後の価格帯が多いことを踏まえると、普及には程遠いと感じてしまう。もちろん、高価な端末に対して値引き上限を緩和することで、以前よりも購入しやすくなる点はうれしい。

 端末数が少ない背景には、為替相場などを理由に、端末価格を考慮した結果、「ミリ波対応を見送った」とも考えられる。例えば、旧モデルのGalaxy S23やGoogle Pixel 8 Proがミリ波に対応していたのに対し、Galaxy S24、Google Pixel 9 Pro/Pro XLではミリ波に対応していない。

 このため、ミリ波対応端末は継続的に販売されるものではなく、為替状況や端末コストなどを踏まえてメーカーはもちろん、通信キャリアの要望に合わせて対応可否が決まると考えたい。現に米国向けのiPhoneやPixelは現地キャリアの要望もあって、ミリ波対応のハードウェアで出荷されている。

●値引き額の根拠が薄く、「キャリア税」の相殺程度にしかならない?

 さて、今回のミリ波対応端末に対し、1万6500円を値引き額上乗せする根拠とは何だろう。この数字は「ミリ波対応のキャリア向け」と「ミリ波非対応のオープン市場向け(SIMフリー)」の両方を販売する機種の差額の平均を根拠としている。

 見過ごせない変化としては、規制緩和の基準となったオープン市場向けにもミリ波対応端末が登場したことだ。2023年度発売の機種では前述した4機種のうち、Xperia 1 VIを除いた機種はオープン市場向けモデルもミリ波に対応している。

 Galaxy S24 Ultraはミリ波に対応した仕様ながら、直販モデルは18万9700円(256GB)からに抑えた。一方、キャリア向けはドコモが21万8460円、auが19万8800円と価格差があり、ミリ波対応と非対応の価格差を規制緩和の根拠とする方向性は、早くも崩れようとしている。そもそも「ミリ波版」という区分の端末が存在していることが5G通信黎明(れいめい)期のような状態であり、このような区分けは世界的に見ても今後なくなってくると考える。

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