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その言葉、“闇バイト”かも スマホ文字入力「Simeji」が警告機能 きっかけはSNSでの声

ITmedia Mobile / 2024年12月24日 10時5分

 学習については「インストールした段階で、統計情報に協力をするかという問いに、イエスを選択した人にのみ有効になります」と古谷氏。変換候補の表示については「ユーザーとのコミュニケーションを取り、ユーザーが欲しい変換候補を提供する」アプローチもあるという。

 では、文字入力の他に対策の手段はあるのだろうか。古谷氏いわく、Simejiは文字入力アプリであるため、アプリ利用時にスマートフォンで音を発するなど、「入力の邪魔」になるような機能の実装は避けたいようだ。「インタラクティブ的な注意喚起は考えていますが、通常の文字入力を行う方に影響を及ぼしてしまう」(古谷氏)ことから、「強調できる部分(機能)でいうと、ここが限界なのかなと思います」としている。

 とはいえ、さらに分かりやすく注意喚起するために、特定の言葉を入力した場合にのみ、バイブレーションで知らせるような仕掛けが「候補としては上がっており、どれくらいの工数がかかるのかなどを見ながら進めている」(古谷氏)そうだ。

 なお、変換候補の表示や利用は基本的にインターネットは必須ではないが、注意喚起に関する機能はキーボードとサーバとのやりとりを伴うため、事前に設定で「フルアクセスの有効化」を行う必要がある。フルアクセスはSimejiアプリの「設定」→「フルアクセスの許可について」→「フルアクセスを許可」→「キーボード」に進み、フルアクセスを許可の項目右側のボタンをタップすれば有効化できる。

 今後の方向性について、古谷氏は「テキストから改善できる社会問題に対しては、われわれでもアプローチできる部分を積極的に模索していこうかなと思っています。スマートフォンでの文字入力は一番、スマートフォンの行動の源流を押さえているため、われわれのできる範囲でインタラクティブに情報を提供したり、注意喚起などでコミュニケーションの手助けをしたりすることを目指したい」としている。

 Simejiと今回の取り組みを通じて、テキストコミュニケーションや社会の問題解消に少しでも貢献しよう、というバイドゥ側の意図が見えた。ちなみに、Simejiには注意喚起の他にユーザーを励ます機能もある。例えば、「しにたい」と入力すると、「死にたい…」という文字と顔文字でホッコリする表示や、「そんなこと言わないでよ」などという文言で励ましてくれるそうだ。古谷氏によると、「クスッと笑えた」というユーザーの好意的な声があった一方で、「軽すぎる」「死にたい人をちゃかすな」などの声もあったという。

 文字入力アプリはユーザーがどんなテンションで入力しているのかまでは読み取れないため、文字入力アプリでできることの限界はあるといえるが、注意喚起の方法も使い手や時代の推移とともに改良が必要なのだろう。

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