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スマホ料金は「ポイ活」と「中容量強化」が進み、通信品質の重要性も増す――2024年のモバイル業界を振り返る

ITmedia Mobile / 2024年12月28日 10時9分

 ソフトバンクのLINEMOは、ahamoやUQ mobileのデータ容量増量のあおりを受けてしまった格好になる。LINEMOは、7月に新料金プランの「LINEMOベストプラン」「LINEMOベストプランV」を開始。後者のLINEMOベストプランVは、20GBを超えると30GBまで料金が上がる段階制を採用していた。ユーザーのデータ使用量拡大に合わせ、20GBを超えた際に料金が上がることでARPUを増やしていく狙いがあったとみていいだろう。

 ところが、ahamoやUQ mobileが相次いで料金の据え置きのまま30GB化したことで、LINEMOベストプランVは他社との比較で割高になってしまった。これを受け、ソフトバンクは6カ月間限定だった20GBを超えた際に料金が変動しないキャンペーンを永続化。LINEMOベストプランVを事実上の30GBプランに変更した。現状では20GBを超えたときの料金である3960円から990円を割り引く形だが、同社は今後、料金プランそのものを改定することも示唆している。

 ドコモがいち早くデータ容量改定に踏み切ったのは、ahamoの解約率が他の料金プランと比べ、高止まりしていたからだという。6月に同社の代表取締役社長に就任した前田義晃氏は、「ahamoユーザーの声を調査したところ、経年的な利用量の増加に対してデータ容量が不足していた」と語る。容量を超えて通信速度が低下し、不満がたまったことでahamoからの解約につながっていたというわけだ。データ容量増量の結果、解約は「止まっているが、ポートイン(獲得)にもだいぶ効果が出てきている」(同)という。

 こうした実質値下げの背景には、楽天モバイルが契約数を順調に伸ばしていることもある。同社の契約者数はMVNOやMVNEまで含めて11月に812万まで増加。法人契約が伸びている他、特定の層を狙ったポイント還元施策の「『最強こどもプログラム』や『最強青春プログラム』で若い方のシェアが拡大している」(楽天モバイル代表取締役共同CEO 鈴木和洋氏)影響も大きい。9月には、「デモグラフィック(人口属性)的に高齢者層が弱かった」(楽天グループ 代表取締役会長兼社長最高執行役員 三木谷浩史氏)課題を克服するため、「最強シニアプログラム」を導入し、同社の勢いは増している。

●増え続けるトラフィックを支える5G、ネットワーク品質の重要性はさらに高まる

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