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ソフトバンク孫社長が語るOpenAIとの提携 1億以上のタスクを自動化して“AIの大脳”になる

ITmedia Mobile / 2025年2月3日 21時37分

 Webやテキスト、画像、PDFなどを幅広く調査し、レポートを自動で作成できるサービスであり、「30分かかる作業から30日かかる作業まで対応できる」と強調している。

 さらにアルトマン氏は「GPT-3からGPT-4に至る進化がわずか数年という事実が示すように、人間が線形的に捉えがちな変化はAIでは指数関数的に進む」と述べ、必要となる計算パワーは膨大でも、十分にリターンが見込めるという見解を示した。孫氏も「インターネット黎明(れいめい)期の帯域需要のように、結局はもっと必要になる」と同意し、大規模モデルへの投資が将来を左右すると強調した。

 アルトマン氏のプレゼン後、OpenAIスタッフがDeep Researchの活用例を示すデモンストレーションを行い、営業戦略やマーケティング分析などの多様な業務タスクを自律的に処理できる可能性を示した。問い合わせフォームから営業担当への情報連携まで、エージェントが自動でこなす様子を披露し、人手依存だった業務の大幅な効率化が期待できるとアピールした。

●ソフトバンクグループでの実装

 ソフトバンクグループは合弁会社「SB OpenAI Japan」に出資し、自社の通信事業やPayPay、LINEヤフー、ZOZOなどを対象にCristalをフルスケールで導入する。孫氏によれば、開発費と運用費を合わせて年間4500億円(約30億ドル)を投じる計画だ。ただし、これはソフトバンク自身が最初の大規模事例を作るためのインフラ構築の費用を含めた投資であり、他社が導入できるようになった場合、同規模のコストを負担するわけではない。

 Cristalは、長年蓄積されてきた基幹システムのソースコードを一括で読み込み、最新のプログラミング言語への置き換えやバグ修正などを自動化する。また、営業やマーケティング領域では顧客データを学習して提案資料を生成し、コールセンターや社内会議ではリアルタイムに顧客応対や議事録作成をこなすものとなるという。

 孫氏は「Cristalを導入した企業としない企業では“マシンガンとオノ”ほどの差になる」とまで言及し、電気や自動車の有無で生産性が劇的に変化した歴史を引き合いに出しながら、AIエージェントを深く統合した企業が圧倒的な競争優位を築くと力説する。「まずソフトバンクグループで大規模導入し、効果を示すことで他企業も安心して導入しやすくなる」と述べている。

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