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いざ調べ始めると大変、ネットにない古い情報を探すには

ITmedia NEWS / 2024年6月4日 18時6分

 というわけで早速図書館に出掛けていったわけだが、新聞自体は館内備え付けのPCを使って、閲覧できることが分かった。だが2000年よりも古いものは、紙面のスキャン画像が日付ごとに閲覧できるだけで、記事内容で検索がかけられないという。

 ということは、野球大会の開催日が分からないと、探しようがないということである。そんな記録がどこにあるのか。

 取りあえずネットで調べてみると、「宮崎県野球協議会」という組織が四校定期戦の開催を知らせるエントリーを出していることがわかったので、そこに電話して過去の開催日程が分かるか聞いてみた。すると四校定期戦というのは学校行事なので、記録は各学校にしかないという。

 そこで、息子が通う公立校の事務局に電話してみた。1962年開校という古い高校なので、もし学校史のような形で歴史がまとめられているのであれば、それを閲覧できないかと考えたのだ。だが学校史のようなものはないという。新聞報道を調べるために四校定期戦の過去の開催日程が知りたいんですが、というと、わざわざ資料を調べて息子に持たせてくれるという。

 息子が持って帰った紙には、大会の回数と日程がExcelできちんと表組みされていた。わざわざ作っていただいたのだろう。余計な仕事を増やしてしまって、申し訳ないことをした。

 翌日その資料を持って、再び図書館を訪れた。開催日はわかったので、その翌日の新聞から記事を探す。見出しも記事の大きさも分からないので、1ページずつめくって確認するしかない。備え付けPCのディスプレイは14インチほどしかないので、とても新聞全面を表示できない。拡大表示にして、少しずつ位置をずらしながら目で追っていく。少なくともこの作業を1980年から2000年までの20回繰り返すのである。中には記事化されていない年もあり、ものすごく時間がかかる。

 全部の記事を調べてわかったのは、2010年の第31回から「伝統の応援合戦沸く」と、初めて伝統という表記が登場したことがわかった。何のことはない、スキャン画像を目で追った限りでは、見つからなかったのである。前年の30回では「今年で節目の三十年目」と報じられているので、現代では30年目程度のキリのいい年を「節目」と評し、その翌年から「伝統」ということになるようである。

 ただしこの例では、という話であり、普遍的な慣習とは断定できない。たったこれだけの事実をつかむのに、2日かかっている。現代のビジネス感覚では、人件費が全くペイできない。

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