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Appleが「マルチカメラ編集」へ向かう理由 「Final Cut Pro 2」新機能から読み解く、その“本気度合い”

ITmedia NEWS / 2024年6月7日 12時52分

 ここから先はプレスリリースに書かれた、よく分からない説明を解読していくしかないのだが、この4つのリアルタイムプレビューは、単にモニターできるだけ、という可能性が高い。本来ならライブでiPad側にも録画されればいいのだろうが、それができるのかできないのか、現在の書きぶりではわからない。ただ撮影後になるのか、先にプロキシデータが伝送され、それを使って編集が開始できる。後々フル解像度のデータが転送されると、それに差し替えられるということのようだ。

 またiPad上のストレージ容量を補助するために、外部ストレージをつないでおき、その中にプロジェクトファイルが置けるようだ。プロジェクトファイルが外部に置けるという意味がよく分からないと思うが、Final Cut Proはプロジェクトファイル内に素材クリップデータもパッケージ化して内包してしまうので、プロジェクトファイルがクソデカになるのである。よって外部ストレージにプロジェクトファイルが置けるということが、メリットとして紹介されているというわけである。

 さて、ここまでご紹介したところで、このアプローチはどこかで見たことが……と気付く方もいるだろう。編集ソリューションのために専用カメラアプリを用意するという方法は、23年9月の「Blackmagic Camera」と同じ手法である。10月30日に開催されたAppleのイベント「Scary Fast」の映像が、iPhone 15 Pro MaxとBlackmagic Cameraを使って撮影されたことで一躍知られることになったiPhone用カメラアプリだ。

 この事例からも分かるように、Appleは自社では賄えない動画映像制作関連の技術開発で、Blackmagic Designと蜜月関係にある。

 そしてもう1つは、編集アプリにライブマルチカム機能を搭載するという発想だ。これは24年4月に行われた世界最大の映像機材展「2024 NAB Show」で、Blackmagic Designが同社のハイエンド編集ツールDaVinci Resolveに、ライブマルチカメラ機能を搭載した動きとよく似ている。ライブカメラ映像を表示して興味を引くポイントに「POI」(Point of Interest)マーカーを打つと、そこがキャプチャーされてタイムラインに配置されるというマルチソース機能が搭載された。POIはリプレイを行うためのポイントとしても活用され、マルチカメラ映像を同時に動かしてリプレイ再生ができる。

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