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「PLATEAU」って知ってる? 日本の都市を“完コピ”した無償3Dデータとゲームエンジンでできること

ITmedia NEWS / 2024年6月19日 14時8分

●ゲームエンジンSDKやマニュアルなど「活用」がポイント

 PLATEAUが広く使われるのは、無償で使われるからだけではない。主要なゲームエンジンで使うためのSDKや、3D都市データを扱う上で重要となるドキュメントが整備されているため、活用を始めやすい、という点も大きい。SDKはGitHubにまとまっているし、データ活用に関するドキュメントも非常に詳細だ。

 データがあるだけでは活用されない。国際標準に基づく形でデータが整備され、それを扱うドキュメントが存在し、さらに、ゲームエンジンから使うための情報も公開されているからこそ、それまで地図データ・都市データを扱ってこなかったような開発者も使うことができるのだ。

 また、前述のような使用例が多数生まれる背景には、ハッカソンなどの開発者イベントが積極的に開催されている、ということもある。

「都市データは日本の資産であり、日本でデジタルツインを作る人々が自由に活用して可能性を開拓する」ことをしっかり考えて展開されているのがPLATEAUの特徴だ。

 もちろん課題もある。

 データがある範囲は増え続けているが、全域ではない。人口が多く、地方公共団体側として整備の意思が強いところから優先して作られている状況で、2027年までに約500都市を整備する計画となっている。

 3Dデータとしての詳細さ、建物のテクスチャーの精細さなども、地域によってまちまちだ。もっとも詳細なデータを使ったとしても、映画のセットやゲーム内のオブジェクトとしてそのまま使えるような品質ではない。

 ただ、こうしたことは時間が解決することでもあるし、ディテールが圧倒的に豊かなデータ自体は、やはり民間がコストをかけて「自らの付加価値」として作るべきものだろう。

 実際の地域と建物のデータが無償で使える、ということにはまた別の価値がある。まさに「産業のベース」となるべき資産、と言っていい。

 同様の考え方で、政策としてデジタルツインの構築に力を入れる国や地域は多い。日本より先に進めていた国も多いが、PLATEAUでの整備により、日本はかなり進んだ状況になってきていると理解している。

 XRや地図データなどに興味がある人以外には認知度が低い印象もあるのだが、非常に良いプロジェクトなので、地域開発やサービス開発などで自由に使い倒していくべき存在である。

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