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電話番号が“汚れている”とは 契約したばかりのスマホに不審な電話がかかってくる理由

ITmedia NEWS / 2024年6月24日 11時11分

 その一方で、携帯各社に割り当てられている電話番号の在庫には限りがあることから、新規契約者に対して常に新しい番号を割り当て続けることはできない。それゆえ解約した人の電話番号を、一定期間が経過した後に新規契約者に割り当てるということが古くから実施されてきたのである。

 とはいえ、長い間連絡を取っていなかった友達や知り合いなどが、昔の番号に電話をかけるというケースは時々あるだろう。また債権回収などであれば、債権者の新たな電話番号が分かるまで同じ電話番号に問い合わせをし続けると考えられる。それゆえ新しい電話番号を契約したら、全く知らない人や会社から電話が来て困る、という事象は比較的古くからあったものなのだ。

●環境変化で携帯電話番号の流動は急加速

 それがなぜ、今になってそうした問題に出くわす人が増えているのかというと、携帯電話サービスの在り方が大きく変わっていることが影響しているのではないかと筆者は見ている。

 携帯電話会社のサービスは以前、長期間の契約を約束する代わりに毎月の料金を割り引く一方、中途解約すると高額な違約金が請求される、いわゆる「2年縛り」などがあったことから解約がしづらかった。だがNTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの3社が市場を寡占し、“縛り”によって競争を停滞させている状況を問題視した総務省がメスを入れ、結果として2019年の電気通信事業法改正によって“縛り”は有名無実化。解約が非常にしやすくなっている。

 それに加えて、2020年に首相に就任した菅義偉氏の政権下で、携帯電話料金の引き下げが行政主導で進められた結果、低価格の料金プランが急増。月額0円から利用できるKDDIの「povo 2.0」の登場や、当初月額0円から利用できるサービスを提供していた楽天モバイルの新規参入などもあって、携帯電話サービスを契約する敷居も大幅に下がっている。

 それに加えて、アップルの「iPhone」やグーグルの「Pixel」シリーズがeSIMを採用したことを機として、物理SIMとeSIMの「デュアルSIM」に対応するスマートフォンが一般化。そして2022年に、3日間にわたって発生したKDDIの大規模通信障害の影響により、eSIMを非常時のバックアップ回線として活用する動きが進んだことから、1台のスマートフォンで2つの回線を使っている人も増加傾向にある。

 そうした複数の要因からここ数年のうちに携帯電話番号の流動性が急速に高まり、再割り当てがなされた番号に接する人も増えた。その結果、不審な電話を受ける人の割合も必然的に増えたのではないかと考えられる。

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