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次の“改訂”は6年後 「子どもにAIを学ばせたい」に、日本の学校教育は追随できるのか

ITmedia NEWS / 2024年8月4日 11時6分

・[要望声明] 初等中等教育におけるSTEAM教育の導入とテクノロジー教育の拡充・刷新について

 現在の小中学校では、一部先進校に指定された学校でSTEAM(Science、Technology、Engineering、Art、Mathematics)教育が実践されている。これはそれぞれを学ぶという事ではなく、多彩な分野を全て関連性を持たせた格好で学んでいこうという考え方だ。

 JSTEの要望書では、小学校から高校までの教育の見直しが提言されているが、目玉は中学校における「テクノロジー科の新設」だろう。中学校技術科は、社会がIT化へ向かうことによってその存在が重要視された……割には、授業数は家庭科と合わせて年間で70時間程度しかない(自治体によって違いはある)。筆者の時代は、男子は技術科、女子は家庭科に別れていたが、現在は男女ともに技術科と家庭科を学ぶ。結果的に、筆者の時代よりも技術科に割く時間数は減っている可能性すらある。

 そこで、現在行われている技術・家庭科を再編して、具体的には家庭科と分離して、単独の教科にし、年間70時間を確保しようというわけだ。学習内容としては、コンピュータサイエンス、情報通信ネットワーク、プログラミング、情報コンテンツ、AIの活用と実装、IoTの構築と活用などとなっており、高校における「情報I」の内容にも通じるところがある。

●2030年からで間に合う?

 この提言がターゲットにしているのは、2030年に予定されている学習指導要領の改訂だ。学習指導要領はおよそ10年に1回しか改訂されず、前回の改訂は2020年だった。改訂はあと6年後、ということになる。改訂後は小学校から高校まで1年ずらしながら実施されるので、中学で新学習指導要領が実践されるのは、2031年ということになる。

 この年の中学1年生が社会に出てくるのは、高卒なら2037年、そこから4年大学に行くと2041年、工学系は大学院に行く人も多いのでさらに遅れて2043年。

 日本におけるAIの活用目的は、超少子高齢化社会となる国の没落をカバーすることにある。こうした社会問題は2040年問題といわれており、即戦力になる子が社会に出るのが、ギリギリ間に合うかどうかぐらいのタイミングである。

 その一方で、AIはいつまでも今のAIの姿をしているわけではない。その先にはAGI(Artificial General Intelligence - 人工汎用知能)の時代、ASI(Artificial Super Intelligence-人工超知能)の時代がくるとされている。

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