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終わりを迎えた「キャンプブーム」 “あとしまつ”の道は災害対策か

ITmedia NEWS / 2024年8月9日 15時24分

 こうしたイメージのズレは、ポータブルバッテリーの広告においても顕著に現われる。米国をメインの市場に据えているバッテリーメーカーは、アウトドアでポータブルバッテリーを使うというイメージ戦略を取るが、米国ではキャンピングカーやオートキャンプが主流なので、それは分かる。

 一方日本のキャンプブームはテント泊がメインであり、薪を拾って火を起こすことで癒やしを得るのが目的の中、わざわざ重たいポータブルバッテリーをテントまで運んでコーヒーを沸かすといった行為に、必然性がない。マイカのようなバンワークではポータブルバッテリーは必須だが、そもそもそういうことを実践している人が少ない。

つまりキャンプブームがあっても、ポータブルバッテリーの市場開拓には大してつながらなかったのではないか。ポータブルバッテリーもまた、日本のキャンプブームにハマらなかったピースの1つだろう。

●「キャンプブーム」のあとしまつ

 「キャンプ女子」もターゲットに新形態を積極的に展開してきたワークマンは、今後男性カジュアル衣料に転換するという。

 筆者の地元にあるイオンモール宮崎では、なんと24年の3月22日というタイミングで「ワークマン女子」が新規オープンしたが、最初から店舗内は男女の衣類がほぼ同量で置かれ、特にキャンプ用品に力を入れている感じもなくなっている。店舗名はそのままに、内容だけずらしていくということだろう。ただ、「女子」を掲げる店舗にオジサンが入っていくのは抵抗がある部分を、今後どうするかは課題だ。

 一方イオンモール宮崎にてアウトドア専門店「TRIP OUT」を展開していた株式会社 インテリア日向は、24年1月31日で店舗を閉店した。たった2年間の営業期間だった。キャンピングカーや大型アウトドア車まで展示されていた広大なテナント跡は、まだ空いたままだ。

 ブームにのってキャンプギア売り場を目立つ位置に展開してきたダイソーでは、売り場のリニューアルに伴ってキャンプギア売り場を奥に引っ込め、一般商品の1コーナーという格好に収まりつつある。新商品開発はまだ続いているようだが、量の拡大は止まったと見ていいだろう。

 近所の中古販売店を何店か物色してみた。ブーム終焉を受けて中古市場が活気づいていると思ったのだが、23年までは結構潤沢にあったキャンプ用品売り場は逆に縮小していた。古めのテントや寝袋はまだあるものの、キャンプでなくても使える椅子やテーブルのようなものはあらかたさばけてしまってた。回転の早い中古市場では、めざとい人達がすでに昨年のうちにめぼしいものをさらっていってしまったようだ。

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