楽天G、モバイル事業で赤字続くも改善進む 南海トラフ対応は「非常時設備を該当エリアに移動中」
ITmedia NEWS / 2024年8月10日 16時19分
楽天グループは8月9日、2024年度第2四半期決算を発表した。連結売上収益は前年同期比8.1%増の5373億円で、連結Non-GAAP営業損益は118億円の赤字(同276億円の改善)、連結EBITDAは668億円の黒字で、非金融事業EBITDAも99億円の黒字だった。海外EC、FinTechセグメントが好調だった他、モバイル事業は契約者数の増加とコスト最適化が進み、赤字幅が縮小した。
「楽天市場」「楽天トラベル」などを中心とするインターネットサービスセグメントは、売上収益が前年同期比3.1%増の3039億円、Non-GAAP営業利益は30.3%増(マイノリティ投資事業除くと21.8%増)の189億円となった。楽天市場の流通総額は、前年に実施したSPU(スーパーポイントアッププログラム)の改訂や、全国旅行支援終了などもあり、同マイナス4.8%の1.4兆円だったものの、楽天トラベルの国内宿泊流通総額が2019年比で34%増と、コロナ禍前の水準を上回った。
「楽天カード」「楽天銀行」「楽天証券」などのFinTechセグメントも好調で、売上収益は前年同期比12.0%増の2027億円、Non-GAAP営業利益は28.1%増の423億円となった。楽天カードのショッピング取扱高は5.9兆円と13.9%増加し、楽天証券の口座数は22.7%増の1133万口座に達した。楽天銀行の預金残高は7月に11兆円を突破している。
●楽天モバイルは赤字幅を圧縮
赤字が続くモバイル事業は、売上収益が前年同期比18.6%増の950億円、Non-GAAP営業損益は606億円の赤字となった。前年同期の損失額から218億円改善し赤字幅を圧縮。全契約回線数は770万回線に到達。マーケティングコストを除いたキャッシュフロー(PMCF)は第2四半期で黒字化を達成したという。三木谷浩史氏(楽天グループ会長兼社長)は「グループ全体で見ると、すでにキャッシュフローがポジティブになってきている」と述べ、モバイル事業の改善を強調した。
他キャリアからのMNOが伸長した他、23~29歳、30~34歳の年齢層を中心に契約が伸びており、人口対契約回線比は2024年1月末でそれぞれ7.1%/8.9%だったのが、7月末で8.6%/10.2%に増加。家族プログラムなどで層の拡大を図るという。APRU(ユーザー1人あたりの平均売上)は、24年6月で2031円と横ばいが続いているが、他の楽天サービス利用が増加するなど波及効果をアピールする。
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