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メルカリvs.タイミー スポットワーク市場に巨人参入、「メルカリ ハロ」の勝機は

ITmedia NEWS / 2024年8月23日 12時15分

 そうした中で注目を集めているのが、フリマアプリ大手のメルカリだ。メルカリは24年、スポットワークサービス「メルカリ ハロ」をリリースし、この新たな市場への本格参入を果たした。メルカリの山田進太郎CEOは、24年6月期の決算発表会見で、スポットワーク事業について「中期的にNo.1を目指す」という目標を掲げた。

 実際のところ、メルカリ ハロは先行するタイミーを抜けるのか?──メルカリ ハロを含む、メルカリグループの国内事業の責任者である山本真人氏は自信を見せる。単独インタビューにて山本氏は「登録者数で見るとタイミーを抜く可能性はけっこうある」と述べた。

 メルカリハロの強みは、そのユーザーベースにあるという。サービス開始からわずか3カ月で500万人を超える登録者を獲得するなど、成長速度は目覚ましい。これは、メルカリが持つ約2300万人の月間アクティブユーザー(MAU)という巨大な基盤を生かした結果だ。

 一方、タイミーは2024年4月末時点で770万人以上のワーカーが登録しており、現時点では依然としてユーザー数で優位に立っている。しかし、山本氏は単純な数の比較には慎重な姿勢だ。「競合他社と数の競争をしているイメージはない」と山本氏。「シナジーを得てもらえる顧客を注力(して獲得すること)」が重要だと、質を重視する姿勢を見せた。

 さらに山本氏は、メルカリ ハロの強みについて複数事業のシナジーを強調する。メルカリが19年に参入したメルペイなどのフィンテック事業は、マーケットプレースの巨大な会員基盤を生かし、23年に黒字化を果たした。「KYC(本人確認)済み、売上金があって、かつ売上金で買い物をするマーケットプレースもある。金融サービス単体で推すよりも使うシーンがあることで伸びた」と説明。メルカリ ハロでもシナジーを生かして競合を追う形だ。

●加盟店開拓戦略:メルカリの2B部隊強化と市場の現状

 スポットワーク市場での成功には、ユーザー数の拡大だけでなく、加盟店の開拓も重要な要素となる。コンシューマー向けに圧倒的な顧客基盤を誇るメルカリだが、法人向け接点は弱みだ。スポットワークの登録事業所も、タイミーの25万4000件超に対し、メルカリ ハロは約5万件にとどまる。

 加盟店開拓の強化について、山本氏は「メルカリには複数の事業者獲得事業がそろってきている」と述べる。メルカリにはもともと法人向けの営業チームはなかったが、メルペイの加盟店開拓をはじめ、メルカリShops、そしてメルカリ ハロと複数の対法人向け事業が増えてきている。これらを横断的に活用した営業活動を展開していくという。

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