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これって乾電池? テスラに使われている“円筒形バッテリー”の正体とは

ITmedia NEWS / 2024年9月30日 17時17分

 ただ、認識の仕方が不可解です。ワゴン車が通常状態で表示され、一瞬消えたかと思うと、赤く表示された状態で再び現れています。ということは、Teslaのコンピューターが、このワゴン車を一瞬見失った後、再び発見した際に危険であると判断して自動ブレーキを作動させたものと思われます。

 2つ目の動画は横浜横須賀道路の上り車線です。キャリアカーに乗せた故障車からヘルメット姿の作業員が降りてきたそのときにアラートと共に自動ブレーキが作動し、80km/hから59km/hに減速しました。スクリーン上では、ヘルメット姿の作業員が1秒にも満たない時間、赤く表示されています。前述のワゴン車と異なり、ここでは人の飛び出しに対して警告を発した模様です。

 このような経験を何度かしたことから、路肩作業や工事による車線規制に遭遇した際は、APを解除したり、場合によっては身構えながら走行したりしています。

●自動ブレーキは誤作動にあらず? 安全側に振った設定か

 以前、本連載の「テスラ車に潜む『ファントムブレーキ』という“幻影” オーナーが実際に体験した一部始終」においても、AP使用時の自動ブレーキを紹介しました。そのときに寄せられたSNS等のコメントでは、この自動ブレーキを「誤作動」と断じ、APに対し否定的な意見を多くいただきました。

 しかし、実際に遭遇した当事者として、この挙動を単なる誤作動として片付けてしまってもいいのかどうか、という疑問を感じたことも事実です。もしも、路肩のワゴン車が何らかの事情で急に走行車線に飛び出したり、ヘルメット姿の作業員が足を踏み外して、よろめいて車道側に倒れ込んだりしたらどうでしょうか。

 このTeslaのアラートや自動ブレーキのおかげで、手動運転時よりも早く、危険回避行動や急制動を実現できたかもしれません。すべて仮定の話になるので、筆者の考えが正しいと主張するつもりはありません。

 しかし、Teslaのコンピューターが、フェイルセーフに立脚した上で安全側に振った判断を下し、ドライバーに注意喚起をうながしたと同時に自動ブレーキという形でサポートしたという見方もできます。当事者として「誤作動はけしらからん!」という単純な話ですませたくない想いです。

 件の記事のSNSのコメントのいくつかに、「後ろを走行しているドライバーの身になれ」という意見も複数頂きました。確かに前のクルマが急に減速したら驚くでしょう。申し訳なく思います。自動ブレーキがかかった瞬間、事故の危険がないと瞬時に判断してアクセルを踏んでいる自分がいるので、自身の中に、後続車に対する気遣いと追突されては困る、という感情が複雑に交錯しているのかもしれません。

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