1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. IT
  4. IT総合

校外PC利用が先進国でビリでも「日本はよくやっている」と思う理由 GIGAスクールの次のステップ

ITmedia NEWS / 2024年10月17日 15時7分

 日本は「授業でのICT利用頻度」において、OECD諸国と比べて低いという結果がでている。だが授業中のICT機器利用により注意散漫になることが圧倒的に少ないというデータも出ており、今のところ日本の教育は、かなりうまくやっている。これはひとえに先生達の頑張りの賜だろう。

●「PCじゃないと」はもう古いのでは?

 PCとスマートフォンの関係でいつも思い出すのが、13年に筆者のメールマガジンでベテランPCライターの山田祥平さんと対談したときの話である。この時印象的だったのは、山田さんが「スマホでもできるんだけど、細かいことになってくると"ああめんどくさい"と言いつつパソコンを取り出す」というお話をされていた。

 当時の筆者は、今後はスマートデバイスが主力になり、PCは衰退するのではないかと考えていた時期だった。iPadだけで本を一冊書いたりもしていた頃なので、そういう山田さんの意見にあまり共感できなかったのだが、今はめちゃめちゃ共感できる。スマホでも散々やろうとしたが、PCのほうが画面はデカいしキーボードは快適だし、クリエイティブに必要なツールがそろっている。

 ただこうした考えは、われわれオジサン世代にとってPCは共に成長してきた盟友であり、知らない事がほとんどないから分かりやすいだけのことのような気がする。

 昨今ではスマホで小説を書いてしまう作家や、スマホで動画を撮影・編集してメディアへ乗せてしまう記者や、iPadで作曲してしまう音楽家も登場している。使い慣れたツールであれば、それがPCだろうがスマホだろうが、もうクリエイティブとは関係ない。

 日本経済新聞が10月1日付で報じたところによると、現在米国15の州、オランダ、ニュージーランド、フランスでは、学校でスマートフォンの利用を禁止する法律が相次いで施行されているという。学習の妨げになる、依存やいじめの問題が深刻化しているとの理由からだ。

 日本においてこれらの問題は、「いつか来た道」だ。すでにケータイの時代から小中学校は持ち込み禁止、高校はスマートフォンを学校に預けるというシステムが完成しており、むしろ「学校でICT使わなさすぎ」が大問題だった。先進国の方向と逆向きだったわけである。そして今はそれらの国が、日本のやり方に向き直り始めた。

 ケータイ・スマホ問題を通り過ぎた日本の状況は、年齢層は下がるが電通メディアイノベーションラボと東京大学名誉教授 橋元良明氏との、23年の共同研究に見て取れる。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください