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チケットなどの“買い占め・転売”にいそしむ「スクレイパーbot」と、検知技術の戦い

ITmedia NEWS / 2024年10月31日 10時4分

 この最新技術を用いたスクレイパー対策は、日本を含む世界中の航空会社、旅行関連のサイトや、Eコマースサイト、価値あるビジネスデータを提供するサイトなどですでに利用が始まっている。あるサイトでは、それまで短時間に何百件と起きていた不正な予約件数がゼロになり、買い占めの撃退に成功したという。

 新たな検知の仕組みが実装可能になった背景には、最新のクラウド技術の貢献も大きい。スクレイパー特有のアクセスを見分け、アクセス中にリアルタイムに阻止のアクションをとるには、高度なAIの処理を低遅延で繰り返す必要があるが、そのワークロードを世界中に分散配置して処理する「エッジネイティブアプリケーション」として設計することで、これまでの集中型クラウドでは実現不可能であった技術の実装を可能にしている。

●botと ”共存する” 未来のために

 スクレイピング行為を無断で行うbotを法的に規制することは現状では難しい。従って、スクレイパーがもたらすさまざまな悪影響からビジネスやブランドを保護するためには、それぞれの事業者がそのリスクを認識し、自衛する仕組みを磨き続ける必要がある。botを操る側の技術は日々進化しているが、それを上回るべくbot検知テクノロジーも常にアップグレードし続けている。

 今後スクレイパーは、生成AIの学習のための情報取り込みなどにも多用されていくだろう。それらを含め、さまざまなbotの良性/悪性を判断するのは、結局のところ価値あるサービスを提供している事業者だ。

 そのためにまず、botの特性を見分けて可視化できる “テクノロジーによる目” を手にすることの重要性が増している。その目を養ったうえで、サービスに押し寄せているbotをバランスよく円滑に制御できる力をつけていく取り組みこそが、botと共存する未来のために求められるようになるだろう。

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