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Xに広がる“脱出論” 移住先として有力「Bluesky」「Misskey」「Threads」、いちユーザーから見た住み心地

ITmedia NEWS / 2024年11月14日 10時0分

 使用感がXに近いからか、ユーザー層もXに一番近く感じる。ただしトレンド機能やおすすめ機能はなく、代わりに「フィード」という機能が存在する。これはタイムラインを好みにカスタマイズしたり、他の人が作ったフィードを導入できる機能で、例えば「柴犬を飼っている人」「ゲームの話をする人」だけのタイムラインを手軽に構築できる。

 恐らくはこのフィードを使って、自分だけの快適なタイムラインを構築しよう! というのがBlueskyの基本的な利用法だろう。他SNSからの流入も多いようで、人もある程度増えてきた感じがするが、故に過激な意見な人も多少出てきた体感もある。

 それでもフィードによるすみ分けがしやすいので、少なくとも筆者の画面上ではXほど殺伐とした場所にはなっていない。企業の公式アカウントもちらほら見られ、他SNSに比べるとメディアのアカウントが多い。

 総じて「みんなではやりの話題にのってわいわいはできないが、自分の好きな話題にだけ目を通して、好きなように情報を受発信できるX」という感じだ。個人的には、他のSNSほど不特定多数への情報発信には向かないが、“見る専”と割り切るか、仲間内でコミュニケーションしたり、同好の志で集まったりといった用途ならば使いやすいと感じる。

参考記事:

Xに不満を持った人の避難先? 「Bluesky」を初めて使ったおっさんマンガ家の心変わり

Xのブロック機能や規約の変更後、Blueskyに50万人の新規ユーザー

Bluesky、動画投稿が可能に 最長60秒、1日に25本まで

●真剣に考えたい使い分け

 規約変更のみならず、Xは機能の変更が多く、ついていくのが大変だ。つい思想の対立をあおるような投稿を見てしまうと、おすすめ欄も似た投稿一色になってしまうようになり、前よりずいぶん気疲れする場所になった。誰が呼んだか“バトルSNS”ともやゆされる状態だ。無料ユーザーだと不快な広告も多い。しかしユーザー数は随一で、どうにも離れがたい。

 個人的には、精神衛生が良い状態を保ちながらSNSを利用するには、使い分けが重要な時代になったと改めて感じる。実際に、筆者も主な情報収集はX、身近な友人とのコミュニケーションはBluesky、がやがやしていて楽しいからつい見に行ってしまうのがMisskey.ioと使い分けている。これにDiscordやショート動画アプリなども加わる形だ。

 選び方は人それぞれだが、規約に同意できるサービス、開発方針に同意できるサービス、居心地のいいサービスを、自らの許容範囲と照らし合わせながら検討し、ユーザー層や機能に応じて使い分ける人も増えた。これまでも行われていたが、社会の分断とその激化が取り沙汰されるのに合わせ、その傾向も強まったように感じられる。

 一方で、自分にとって居心地がいい場所に引きこもり続けるのも、それはそれで不健全だろう。外部からの情報収集と、発信したい対象、自分の生活などを勘案し、頭を使ってSNSを使う。SNSと生活が密接に結びついた昨今、エンドユーザーだからといって牧歌的にやっていくのは厳しいのでは──というのは、考えすぎだろうか。

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