AIが連携して動く「四季報AI Ver2」の実力は? 株式市場の“旬な話題”について聞いてみた
ITmedia NEWS / 2024年12月28日 12時35分
「AIが複数の判断材料を用意し、それを基に投資判断のアドバイスまで踏み込めるようになりました」と話すのは、東洋経済新報社の担当者。実際、会社四季報オンラインのプレミアムプランへの入会理由として「AIを使いたいから」という声が増えているそうです。
四季報AI Ver2の裏では、50ものAIがこういうことをやっていると理解していると、実際の四季報AIで実際にプロンプトを走らせると出てくる以下のような画面も、なんだか少し愛おしくなるわけです(実際にはただ待っているだけですが)。
プロンプトは「ソニーとKADOKAWAの関係に興味を持っています。ソニーに買収されるかと思っていましたが、追加投資だけでした。株価への影響含めて知りたいです」。
結果は、文字数としては3500文字程度。13個の表とグラフを交えたリポートが生成されました。全文掲載はできないので、リポート冒頭と目次のみ、ここでは掲載します。
●目次
・ソニーとKADOKAWAの資本提携強化
・ソニーのKADOKAWA株式保有比率の変化
・ソニーの追加投資額と目的
・資本提携強化による両社の事業戦略
・アニメ事業での協業拡大の具体的計画
・デジタルコンテンツ市場規模の成長予測
・株価への影響と今後の見通し
・発表後のKADOKAWA株価の推移
・アナリストによる両社の業績予想
内容としては、サマリー的な内容ではありますが、これをベースにして、分析を深堀していくには十分なレベルであると思えるものでした。そして、深堀していく際、参照元が明示されていることが役立つのは言うまでもありません。
ついでに、株価のことだけをまとめてもらいました。
プロンプト「株価のことを中心として簡潔にまとめられますか?」。今度は1200文字程度でまとめてくれました。ひとつ前のものと比較すると、もっと直近の株価の変化と理由について端的にまとまっています。
この2つのサンプルだけ見ても、Ver2のアウトプットが著しく向上したことが分かります。この結果は、複数のAIが連携して働いているからこそ可能になったこと。「指示役のAI」「アウトプット調整用のAI」「用途別の専門AI」など、それぞれが協調して動作します。米倉氏によれば、「LLM同士のコミュニケーションをどうアウトプットさせるかが難しいポイント」だったとのこと。
実務での活用シーンも広がりそうです。例えば営業部門であれば、潜在顧客の掘り起こしに活用できます。「この業界で設備投資を計画している企業を探して」といった質問に対して、財務データや企業の開示情報を総合的に分析し、有望な営業先のリストを作成することができます。
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