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「想星のアクエリオン」のすべて キャラデザ決定の舞台裏から特殊な制作手法まで、糸曽監督にインタビュー

ITmedia NEWS / 2025年1月9日 11時17分

「想星のアクエリオン」のすべて キャラデザ決定の舞台裏から特殊な制作手法まで、糸曽監督にインタビュー

 2025年、約10年の沈黙を破り、待望のアクエリオンシリーズ最新作が1月9日から放送・配信される。1万2000年の時を超え、現在と過去が交錯する壮大な物語でファンを魅了してきた本シリーズ。最新作「想星のアクエリオン Myth of Emotions」(以下、想星のアクエリオン)では、従来のイメージを覆すデフォルメキャラが採用され、既にSNSで大きな話題を呼んでいる。

 この大胆な挑戦に込められた意図とは? キャラクターデザイン、革新的な制作手法、そして作品の魅力について、監督を務める糸曽賢志氏に迫る。

●テーマは「感情」

――シリーズ前作『アクエリオンロゴス』(2015年)から約10年がたちました。前作のテーマ「ロゴス=言葉」から、今回は「Myth of Emotions」、つまり「感情の神話」がテーマとなっています。アクエリオンの生みの親である河森正治さんから託されたことなどあれば教えてください

糸曽:河森さんとは『劇場版マクロスΔ 絶対LIVE!!!!!!』(2021年)で演出として制作に携わったのがきっかけで、その際にプロデューサーから「アクエリオンに興味はありませんか?」とお声がけ頂いたんです。ただ、当時は監督という話ではなく、これから企画を動かす段階だったので、「何らかの形でご一緒しましょう」というお話でした。その際、もし映像を制作するなら、こういうことをやりたいと、当時私が考えていた技術的なアイデアをお伝えしていました。例えば、この後お話しする「実写で撮影するVコンテ(※)」などです。

※ビデオコンテ=キャラクターの配置、カメラアングル、せりふなどの要素を手描きの絵で配置した各カットの設計図を示す絵コンテに対し、ビデオコンテ(Vコンテ)は映像でそれらを確認できる状態まで作り込んだものを指す。近年、アニメではCGでモックアップ<模型>を用いて作成されることが多い

 その後しばらくたって、コロナ禍の最中でしたが、オンラインでの打ち合わせの機会があり「監督をやってみませんか」と打診を頂きました。

 そのタイミングでは既に企画は動いていて、河森さんは「新作では、例えばこんなことをやりたい」というイメージをいくつかお持ちでした。例えば、「感情」をテーマにしたり、舞台を「江の島」にしたりといったアイデアは、既に企画書の中に盛り込まれていました。ただ、河森さんからは「違う人が監督として立って作るなら、いったん自由に作ってもらって構わない。その上で、私のアイデアと合致する部分があれば、ぜひくみ取ってほしい」というお言葉もいただけたので、私としては「感情」というテーマ、そして江の島も面白いと感じたので、生かしたいと思いました。

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