1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. IT
  4. IT総合

通話でもメッセージでもない「テキスト通話アプリ」が若者にウケる理由 「ジフシー」が開いた“隙間”

ITmedia NEWS / 2025年1月31日 9時5分

 通常のメッセージングアプリに実装されているチャット機能は、テキスト入力欄にテキストを入力、漢字変換などを行ったのち、「送信」ボタンをタップした時点で相手に送信される。だがJiffcyの場合は、入力中の画面からすでに相手方に見られている。リアルタイム性をもう一段階奥に進めた格好だ。

 人がしゃべるのと同じで、文章として全体を言い終わらなくても相手にどんどん伝わっていくというのは、「テキスト表現の新しいスタイル」だといえる。

 デメリットとしては、言おうかどうしようか迷って、入力はしたが消した、みたいなプロセスも、全部丸見えである。正直そこはトラブルになりやすい要素であり、利用者がこの仕様を十分理解しているという前提が必要になる。

 入力できる文字数としては120字となっており、その範囲で一回右下の輪っかのアイコンをタップして、テキストを送る事になる。送られたテキストはその場では消えてしまうが、「メッセージ」のほうに記録として積み上げられていくという仕様だ。

 「テキスト通話」では、さっきなんて言ってたっけ、とさかのぼることができない。画面上部左の戻るボタンをタップすれば「メッセージ」に行って確認する事はできるが、そこから「テキスト通話」に戻る方法がない。「テキスト通話」に戻るには、もう一度トップ画面から相手を探して「テキスト通話」をやり直すことになる。こうした仕様は、お互いが今の会話に集中できるスリリングさをもたらす事になる。

●何が「新しい」のか

 筆者が子どものネットリテラシー教育に関わったのが2008年ごろの事で、もう16~17年になろうとしている。まだガラケーの時代から、いわゆるオンラインコミュニケーションのやり方に関しては、そのリアルタイム性を強要することのマズさを訴えてきた。例えば、「メールをもらったら3分以内に返信すること」といった勝手ルールを子供達が作って他者に強要すると、子ども達は四六時中メールが来ていないかチェックしなければならなくなる。これでは日常生活もままならない。

 テキストメッセージの良さとは、あとで読めばいいことを、前もって伝えられる事である。いわゆる伝言板(もう若い人は知らないかもしれないが)や置き手紙みたいなものであり、それがメリットなのにそれをつぶしてどうする、という方向で指導を行ってきた。

 逆に今伝えなければならないこと、すぐに回答が欲しい時には、リアルタイムで相手が捕まえられる通話を使うといった具合に、ケースによってツールを使い分けることがリテラシーだと考えられてきた。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください