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止まらないライブイベント配信の大規模化 「IPライブシステム強化」に動き始めたAJAの戦略とは

ITmedia NEWS / 2025年1月31日 15時30分

止まらないライブイベント配信の大規模化 「IPライブシステム強化」に動き始めたAJAの戦略とは

 AJAといえば、かつては小型コンバーター製品で人気のブランドだったが、Blackmagic Designと製品が競合することも多かった。最近はそれよりもカラーグレーディングやIP伝送系の製品に力を入れており、差別化を図ることに成功している。

 余談だが、AJAの本社は米国カリフォルニア州のグラスバレーにある。グラスバレーと言えば大手スイッチャーメーカーGlassValleyの発祥の地で、かつては西部劇の時代に金鉱山で発展した街である。現在GlassValleyの本社はカナダのモントリオールに移転している。現在は製造拠点が残っているのみだが、AJAはグラスバレーの地元企業として頑張っている。

 昨年のInter BEE 2024では、AJAのIPシステムソリューションをいくつか拝見することができた。現在AJAが行っているのは、従来のボックスタイプの製品の集約化である。

●ラックマウント共通規格「open Gear」

 放送局などの大型設備では、基幹システム機材はラックマウントされるのが前提となる。これまでラックマウント製品は、要するにラックとしての横幅が決まっており、縦はいわゆる「U」単位でサイズが決まっているにすぎなかったが、このラックマウントシャシーおよびモジュールの仕様を共通化しようという動きが出てきた。

 スイッチャーメーカーの老舗Ross Video社が開発した「open Gear」は、こうしたラックマウント型ビデオ・オーディオカード向けプラットフォームだ。オープン規格として仕様が公開されていることから、徐々にこの仕様に合わせたカード類が各メーカーから出始めている。AJAは多くの製品を、open Gear化しようとしている。

 open Gear規格のカードは、共通の設定UI「DashBoard」で制御できるため、1のラックに複数の異なるカードを入れても、制御は1つのUIで可能だ。またDashBoardではカードの設定を吸い上げることができるため、不意なカードの交換でも、すぐに設定を書き戻すことができる。

 「OG-ColorBox」は、カラーマネジメントを行う為のボックス製品として人気が高かった「ColorBox」を、open Gear対応のカード型にした製品だ。2024年のIBCで発表されたが、Inter BEE 2024では現物を見る事ができた。

 もともとColorBoxは、撮影現場で色域変換してモニターしたり、カラー補正やLUTを作る、いわゆるオンセットグレーディングのための装置である。一方でカード型のOG-ColorBoxは、放送などのライブプロダクション向けに使用する製品となっている。リアルタイムのカラーコレクションや、Logの処理、SDRとHDRへのリアルタイム変換などを行う。

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