「鳥肌たった」「これこそアート」 SNSで約13万いいねを集めた1枚のイラスト、衝撃の種明かしに反響 作者に制作経緯を聞いた
ねとらぼ / 2024年7月6日 12時30分
それからしばらくして画像生成AIが世間で話題になり、せっかくならこのAIを使って作品を作りたいな、と構想を練り始めました。そこで何となく、日々何か思いつく度にかきためている絵のネタ帳をあさっていると、「描けなくなった画家」の案が飛び込んできて「これだ!」と。「描けなくなった画家」の絵だと思いきや「AIの絵を前にした画家の絵」という作品を思いついたんです。
――さまざまな解釈ができるイラストですが、一番伝えたかった思いやコンセプトについて教えてください。また、これからのAIイラスト技術について思うことがあれば語っていただけますか?
らいすさん: 前述の通り、好きだからこそ苦しめられる、そんなさまを描いた作品ではあります。一方で、当時は高クオリティーなイラストを出力するAIが出たばかりのころで「絵の仕事はAIに奪われてしまうのではないか」という意見もあり、AI技術そのものを非難する声が多数見受けられました。
そこで、「どんなに技術が発達しても、人の心を打つために作品を作り続ける人たちがいることに変わりはない」というコンセプトを込めて、自分がこれまで培ってきた絵の技術とAI技術の両方を駆使し、作品を制作しました。
AI技術そのものに対しては目をみはるものがあり、今後も発展を続けてほしい素晴らしい技術だな、という考えは昔も今も変わりません。ただ、AIの多大な量の学習が必要な性質上、学習元になっている作品が無断で使用されていたり、誰でもAIに簡単に学習させ出力ができる環境になってきたりと、収拾がついていない状況が現状だと思っています。
こういう状況下なのでAIイラストを非難している方は多く、今自分の作品にAIを取り入れるメリットを正直感じていないので、あれ以降はAI技術を使用した作品は制作していません。ただ、自分はAI技術そのものは素晴らしいと思っているので、難しい課題ではありますが、いつか共存できる未来が来ると良いなと感じています。
――投稿がバズった際の心境について教えてください。リプライで寄せられた反応で、印象に残っているものはありますか?
らいすさん: ここまで語ってきてなんですが、実はあの絵は1日で描いた落書きなんです(笑)。コンセプトこそしっかりと練りましたが「熱があるうちに作ろう!」と思いついたその日に描いてその日に出し、突然その落書きが伸び始めたものですから「なになになに!?」と、驚きと困惑でいっぱいでした。正直あの作品が伸びるとは全然思っていなかったので……。
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