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佐藤健の超絶アクションだけじゃない! 実写版「はたらく細胞」が成功した理由と、意外にダークな注意点

ねとらぼ / 2024年12月15日 19時0分

 さらに、生身の人間が演じてこその大きな魅力となっているのがアクションだ。ワイヤーを駆使した壁走りや高速回転のキレや美しさ、ナイフを用いての「近接格闘」に近い俊敏な動きにはほれぼれしてしまう。佐藤自らが、映画「るろうに剣心」でタッグを組んだアクション監督の大内貴仁を呼んだというが、それが作品に見事なアクセントを加えている。

 さらに、「マクロファージ」役の松本若菜が巨大な鉈を振り回す様が、直近では「キングダム 大将軍の帰還」の「王騎」役の大沢たかおを連想させる迫力とケレン味があった。そして「最強の敵」役として待ち構えるFukaseが映画「キャラクター」の連続殺人鬼役を発展させた狂気の演技を見せており、佐藤演じる「白血球」との対決や運命の対比も見どころとなっていた。

 また、実写化において「血小板ちゃん」が“ちゃんと子ども”であるのも非常に大きい。幼稚園児に見える彼女たちがあつまって「うんしょうんしょ」と「凝固因子」を運んでいたり、「そろーりそろーり」と階段を降りたりと、楽しそうな姿がとってもほほえましい。みんなのまとめ役のマイカ・ピュはもはや天使である。

 他にも「キラーT細胞」役の山本耕史と「NK細胞」役の仲里依紗が「筋肉コンビ」かつ犬猿の仲というのも面白い。「ヘルパーT」細胞役の染谷将太が冷静な指揮官に徹していたり、「新米赤血球&先輩赤血球」役の板垣李光人と加藤諒がちょっぴり「BL」チックなやりとりをしていたり、「肝細胞」役の深田恭子の女神のような優しさに癒されたりもできる。

 それぞれの「なりきり」ぶりは、原作および俳優ファンにとっても納得だろう。

●3:映画オリジナルの「タメになる」要素の拡張も

 さらには、映画では「はたらく細胞」シリーズ初の「人間の世界」も描いており、「人間の行いが体内ではこうした変化として表れる」という「連動」があるため、原作で支持された「タメになる」要素が拡張されているのだ。

 映画オリジナルとなる、芦田愛菜の「しっかり者の女子高生」と、阿部サダヲの「ちょっとダメな父親」が織りなすドラマは感情移入しやすく、加藤清史郎演じる「憧れの先輩」との関係にもニヤニヤしてしまう。ここは同じく武内英樹監督×徳永友一脚本の「翔んで埼玉」にもあった、とっぴなビジュアルおよび設定の世界との対比となる「現実的な視点」として、映画により入り込みやすくなる効果も生んでいる。

 原作を1本の映画にまとめるための取捨選択と再構成も的確であり、さらにスピンオフ作品 『はたらく細胞BLACK』も原作としている点も重要だ。タバコと酒とジャンクフードが大好きで不摂生になっている父親の体内が「ブラック化」して、細胞たちが理不尽な労働をさせられている様から、大人こそが「自分も気をつけよう」と反面教師的な学びを得やすくなっている。

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