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佐藤健の超絶アクションだけじゃない! 実写版「はたらく細胞」が成功した理由と、意外にダークな注意点

ねとらぼ / 2024年12月15日 19時0分

 さらに、終盤には伏線もしっかり生かしたドラマチックな展開が用意されている。ホームドラマとしてはベタとも言ってしまえるものだが、やはり「体内との連動」があってこそのタメになる面白さがあるし、そこにはどれほど絶望しても諦めない人間の気高さと、人体のたくましさを再確認できる構造もあるのだ。

●「意外にダークでシリアス」な終盤には注意が必要?

 注意点をあげるとすれば、G(全年齢)指定で収まる範囲とはいえ、終盤のダークな展開に実写ならではの生々しさがあることと、やや間接的な表現を守りつつもナイフでの殺傷シーンがいくつかあることだろうか。怖さや残酷さは原作にもあった要素であるし、コミカルとシリアスのギャップの大きさも本作の見どころなのだが、楽しく笑える場面のみを期待していた人にとっては、そうした印象に面食らってしまうかもしれない。

 最強の敵であるFukaseのサイコパスみのある演技も相まって、未就学児のお子さんには刺激が強すぎないかとも心配してしまうのだが、最近はアニメ「鬼滅の刃」などで残酷描写に対する“免疫”はあるだろうし、しっかり親御さんがそばにいてくれるのなら、それほど身構えなくてもよいのかもしれない。また、漢字混じりの文章がセリフなしで示される場面もあったので、親御さんがその内容を覚えておき、鑑賞後に教えてあげるのもいいだろう。

 もちろん、終盤の展開はいたずらに怖いだけでなく、しっかり意図が込められている。田口生己プロデューサーは本作に込めた思いについて「誰もが日々を生きていく中で、辛いことや大変なこともあるはず。世界を見渡せば、戦争が起きていたり、心が痛むような出来事もあります。そういった時にも解決の糸口になるのは、自分は決して一人ではないんだということ。みんなで協力し合っていくことが、平和への道筋になるはず」とも語っており、確かにその通りの志の高さが出来上がった映画、特に終盤の恐怖や絶望の感情をも引き出す描写から感じられたのだ。

 つまりは終盤の印象は注意点であると同時に、作り手が現実の世界の残酷さを見据えて作品に昇華させた、美点でもあるのだ。楽しいコメディーパートはもちろん、「意外にダークでシリアス」な終盤、さらには「戦争映画のような重み」を経てこそのラストシーンまで、めいっぱい楽しんでほしい。

(ヒナタカ)

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