「フジテレビかわいそう」トレンド入りも…… 前代未聞“10時間超会見”に一部で「同情論」なぜ? 現場で感じた「空気」
ねとらぼ / 2025年1月28日 20時18分
会見に登壇した港浩一前社長
フジテレビは一連の社内トラブル疑惑をめぐる記者会見を1月27日に実施。10時間超に及んだ会見を受け、X(Twitter)では「フジテレビかわいそう」というワードがトレンド入りするなど、一部では疑惑を追及される側への「同情論」も起こる異例の展開になった。そうした声が上がった要因はどこにあったのか。会見場で感じた空気を振り返る。
●SNS一部で「気の毒」の声
1月17日にフジ側が行った記者会見は、参加できるメディアが大手媒体などに限定され、しかも生中継・生配信ができないという制約の多いものだった。同会見後にはフジ番組のスポンサー企業がCMを差し替える動きなどが相次いだ。
27日の会見では対象メディアの制限がなくなり、400人を超える記者が参加。質疑応答においては、プライバシー配慮の観点から10分遅れでの中継・配信を求められたものの、17日の会見と比較すると、相対的にオープンな環境下で行われたものだった。
16時に始まった会見では、最初に辞任する港浩一社長らの謝罪、一連の問題の経緯説明が行われた。その後、出席した記者からの質疑応答の時間が設けられたものの、これが長時間にわたった。途中で10分程度の休憩があった以外はほぼ「ぶっ続け」の展開となり、会見が終わったのは翌日2時20分ごろだった。
長時間に及んだ会見をめぐっては、SNS上ではさまざまな観点から議論を呼んだ。異例とも言えるのが、長時間質問に応じたフジ経営陣への同情論が、一部で集まっていることだ。
「(港社長が)気の毒で仕方なかった」
「まるで弱いものいじめ」
「見るに堪えない」
Xでは「フジテレビかわいそう」がトレンド入りする事態となった一方で、疑惑を追及される側に同情することの危うさを指摘する声も聞かれている。
●疲労感や苛立ちに満ちた空気
一部で同情論が上がった要因はどこにあったのか。最も大きかったのは、問題を追及する記者のスタンスが、登壇者の発言や態度以上に注目される会見になったという点だろう。
旧ジャニーズの性加害問題をはじめ、過去の大規模な記者会見でも、一部の記者が激しい口調や言葉で登壇者や司会者を問いただしたり、「野次」を飛ばしたりするようなシーンは見られた。
今回の会見でも比較的早い段階からそうした光景は見られたが、質疑応答が長引き、テレビでの視聴率が高いとされる、いわゆるゴールデンタイム(19時~22時)に突入したことで、多くの人がそれを目の当たりにしたとみられる。21時前後には、複数の記者が登壇者を激しく追及し、登壇者がほぼ発言しなくなるというシーンもあった。
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