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「本当にこれでいいの?」 親子の“価値観の違い”で対立も…… 100万箱以上売れた「家庭科のドラゴン」、人気再燃の理由

ねとらぼ / 2025年2月8日 8時0分

 ねとらぼ編集部の取材に応じた、小学生の息子を持つ母親は、息子が学校で使う「絵具セット」を選ぶ際に「ドラゴン柄」を希望されたという。当時の心境をこう振り返る。

「母としては『小学生男子、本当にドラゴン好きなんだ!?』という驚きが一番に来ました。個人的にドラゴン柄に対してカッコ悪い、ダサいという思いはないのですが、『他にキャラもの(ポケモンやマリオ)もあるのに本当にこれ(ドラゴン)でいいの?』とはつい言ってしまいました」

 こうした「ドラゴン柄」をめぐる親子の価値観の違いについて、デザインを手がける企業はどう捉えているのだろうか。

「保護者の方としても、お子さんが反発すればするほどに母親にとっては記憶に残るものになると思うので、お子さんと親御さんにもある意味、良いアピールにつながっていると思います。お子さんのドラゴンが欲しい、そしてその後も使い続けると意思を示し、責任感と自主性を育む良い機会でもあるのではないかとも考えています。またおそらく今の小学生世代の親御さんは30代後半から40代の『家庭科のドラゴン』を通ってこなかった世代の方が多いためギャップもあるかと思いますが、これからは家庭科のドラゴン世代の方たちが親世代になっていきます。そんな中で、ギャップもなくなり親子で楽しめる、思い出としての価値をも共有し合える――。そんな時代の到来を感じています」(サンワード上田さん)

●危機に立ち上がった創業者の息子

 親子の「激しいせめぎ合い」がありつつも、小学生のヒーローとして愛されてきた家庭科のドラゴン。しかし、2020年代に入ると状況が一変する。

 裁縫用具の軽量化ニーズや、割れやすいなどの課題を受け、長年愛されてきたハードケースの製造が2021年に終了。さらに、サンワード創業者が病気になり、事業継続に暗雲が立ち込めた。

 ドラゴン、そして会社の危機に立ち上がったのは、創業者の息子である上田さんだった。2023年冬にそれまで勤めた企業を退職し、家業に就いた。まず着手したのは、辰年でもある2024年に、かつての「ドラゴン世代」へ向けて、ドラゴンの存在を再びアピールすることだった。

 2024年夏に開催された大規模同人誌即売会「コミックマーケット104」(コミケ)に出展することを公式X(Twitter)で告知すると、「懐かしすぎる」「ワイの裁縫箱!!」と大きな話題を呼び、約4万件の「いいね」が集まった。

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