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「本当にこれでいいの?」 親子の“価値観の違い”で対立も…… 100万箱以上売れた「家庭科のドラゴン」、人気再燃の理由

ねとらぼ / 2025年2月8日 8時0分

 裁縫箱やアパレルなどオリジナル商品を携えて出展したコミケでは、「かつての小学生たち」がブースに続々と来訪した。上田さんが驚いたのは、ブースに訪れた2~3割程度の客が女性だったことだ。

「小学生のころにドラゴンの裁縫箱が欲しかったけど、親に『女の子だからやめなさい』と言われて買えなかったという方もいらっしゃいました。ずっと我慢してきた思いを、大人になってようやく解放できたという方も多かったと思います」

 同年にはロックバンド「超能力戦士ドリアン」による「家庭科のドラゴン」をモチーフにした楽曲「裁縫セットのドラゴン(笑)」のミュージックビデオにイラスト素材などを提供した。同曲では、ドラゴンを愛好していた小学生時代を回顧し、「マジで何がよかったんだ」などと、保護者たちが心配したような「感性の変化」に向き合う姿が自虐的に歌われている。

 コメント欄には「公式コラボでウケる」「サビでボロクソ言っているのにコラボ許可くれるドラゴン側懐広すぎる」などの反応があり、その後販売された、バンドのマスコットキャラ「ピーチボーイ」とドラゴンのコラボTシャツは完売したという。

 その後も公式Xでは、家庭科のドラゴンの動く裁縫箱、裁縫箱がドラゴンに変形するガチャガチャアイテム、ドラゴン柄の「おせちの重箱」といったユニークなアイテムを紹介し、いずれも大きな反響を呼んだ。

 現在は家庭科のソフトケースや彫刻刀セットなどの教材をはじめ、アパレルやクリアファイル、アクリルキーホルダーなど多様な商品を展開。2025年はサンワード公式サイトのリニューアルを実施するなどの施策で露出量を増やす。異業種とのコラボレーションも積極的に行っていく方針で、5月にはカードゲーム「Z/X (ゼクス)」とのコラボも決定。こうしたコラボの引き合い、問い合わせは「増加している」といい、企業からも熱い視線が注がれている。

 あるとき、上田さんは取引先から「家庭科のドラゴンは、思春期特有の心の移り変わりや純粋なカッコイイといった感情を呼び覚ますような『概念のような存在』だ」と言われ、はっとさせられたという。

 「ドラゴン業界の最強、裁縫業界の最強、学習教材の最強など様々なコンテンツの中で懐かしさと強い物へのあこがれなども含めて最強と呼ばれる存在を目指し、様々な皆さんとコラボレーション等を通じて思春期の代名詞、家庭科のドラゴンを楽しんでもらいたい」と、さらに広がる未来を見据える上田さん。家庭科のドラゴンが、国民的キャラクターとして君臨する日も、そう遠くはないのかもしれない。

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