1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. IT
  4. パソコン

2024年のテーマは「みがき上げる」――FMVのふるさと「島根富士通」は何を目指すのか?

ITmedia PC USER / 2024年6月26日 17時0分

 具体的には、AGV(無人搬送車)による部品供給をノートPCの全生産ラインに展開したり、混流ライン(※2)でもPCのボディーへのラベル貼り付けを自動化したり、といった取り組みを開始している。さらに今後は、協働ロボット(※3)の利用領域の拡大、AMR(自律走行搬送ロボット)の導入、パレタイズロボットの導入などを通して自動化率を向上。さらに、データの活用率の向上も図るという。

(※2)異なる種類の製品が混ざり合って流れてくる生産ライン(※3)人と協調して稼働するロボット

神門社長 これまでは、自動化できる箇所からロボットの導入などを始めていた。今後は、導入したロボット同士をつなげていく必要がある。また、搬送の自動化は進展したが、今後は組み立て工程を中心に、自動化装置のインライン化に取り組むことになる。

 生産ラインにおける自動化率は、2023年度の実績で37%を達成したという。2024年度は、これを41%まで引き上げる目標を掲げている。また、データ活用率は、2023年度の26%から32%に向上する計画だ。データの活用は、特に「生産性向上」「品質向上」で進めたいという。

神門社長 せっかくデータを取得しても、今までは活用しきれていないという課題があった。この改善が、2024年度のテーマの1つとなる。同年度中には、プリント基板工程における自動倉庫の導入と、リール部品などの自動供給も検討していく。 (これを実現できれば)プリント基板工程での自動化率は80%程度にまで高まり、かつて約200人が従事していた同工程の人員を、70人台にまで削減できるので、余った従業員をより付加価値の高い業務にシフトできる。プリント基板ラインにおけるデータ活用も加速したい。

●デスクトップPCの生産ラインでは「パレタイズロボット」を導入

 島根富士通では2024年度、新たな設備としてデスクトップPCの生産ラインに「パレタイズロボット」を導入した。その名の通り、パレタイズロボットは「パレットに荷物を載せるためのロボット」で、具体的には梱包(こんぽう)を終えたデスクトップPCをパレットに自動積載してくれるものだ。

 組み立てラインから運ばれてきた梱包済みデスクトップPCを手作業でコンベアに載せると、コンベアに設置されたカメラが梱包箱に貼られた二次元コードを読み取る。すると、仕向け先別に分かれた4つの「ステーション」に本体を持ち上げて移送し、パレットに積み上げる――投入から搭載までの所要時間は、平均で17.4秒だという。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください