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約60万円の「Apple Vision Pro」が日本でも発売! 買うかどうか迷っている人に知っておいてほしいこと

ITmedia PC USER / 2024年6月28日 9時30分

 加えて、このバージョンでは2Dの写真をタップするだけで簡単に3D写真を作成できる機能も提供される。機械学習を使用して左右の視点を生成し、自然な奥行きを持つ空間写真に変換するというものだ。「写真」アプリでは、Apple Vision Pro用向けに新しい「SharePlay」が導入され、デジタルペルソナを使って離れた場所にいるApple Vision Proユーザーとまるで同じ場所に存在しているかのようにパノラマ写真や空間写真、空間動画をを楽めるようになる。

 操作性の面でも、手のひらを見つめるとホームボタンを示すアイコンが表示され、軽くタップするだけでホームビューを開いたり、そのまま手のひらを返すと時間とバッテリー残量を確認できたり。そこでタップするとコントロールセンターを呼び出せたり……という新しい操作方法も加わる。

●システムとしては未成熟でも体験の質は高い

 まとめになるが、率直にいうとApple Vision Proはシステムとしてはまだ未成熟だ。これはハードウェアだけのことをいっているのではなく、ソフトウェア(visionOS)も同様である。未完成な部分と、未熟な部分の両方が混在している。恐らく、Apple Vision Proならではの使い方やアプリも今後、いろいろな提案がされる中で、やがてヒットアプリが出てくるという順番になるだろう。

 言い換えれば、現時点で(映像作品やMac用の)ディスプレイとしての使い方を除けば、「斬新で楽しい体験はあっても、HMDを積極的に使いたい」「装着の煩わしさを乗り越えてでも使いたい」といったルールチェンジをもたらす存在になるかといえば、そこまでは至っていない。

 確かに、体験の質やこれまでの2DアプリにはないUIなどは魅力だが、重さや操作性(視線入力とハンドジェスチャーの確実性や制約)などのハードルが高く、そうした基本的な装着性を高めなければ、ルールチェンジは起きないのではないかとも思う。

 筆者は1つの代案(?)として、額に重さを分散するサードーパーティー製ストラップを活用している。しかし、根本的な課題解決にはAppleが第2世代以降の製品で大幅な軽量化やストラップの改良を施す他ない。

 一方で、ディスプレイや内蔵スピーカーの質の高さ、コントローラーを必要としないUIのコンセプトなど、体験の質が高くインスピレーションを沸き起こすこともまた事実だ。そこに本製品の価格を掛け合わせると、どうなのか――そこはあなた次第といったところだろうか。

 為替レートが「1ドル=100円」の時代なら、まだ気軽に楽しめただろうが、現在の価格では積極的にお勧めすることに慎重にならざるを得ない。ただし、あなたが開発者やクリエイターとして、このジャンルの製品に関して可能性を感じているなら、この世界に飛び込むのもいい。そして、少し先の未来を垣間見ることにコストはいとわないのであれば、間違いなく次世代の体験を得られることは保証したい。

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