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Intelの「Gaudi 3」って何? AIアクセラレーターとGPUは何が違う? NVIDIAやAMDに勝てる? 徹底解説!

ITmedia PC USER / 2024年7月5日 17時5分

 IntelはXeon PhiコプロセッサをGPGPU/HPCユーザーに売り込もうとした。しかし、ユーザーからは演算性能面で失望されてしまい、2017年をもって展開を終了してしまった。

 この痛い経験から、同社はその後、“待ったなし”で市場に速攻投入できるAIアクセラレーターを切望したのであった。だからこそ、Gaudiの開発に取り組んでいたHabana Labsの買収に動き、自社のポートフォリオに統合したのである。

演算に特化している「Gaudi」

 Gaudiを巡る経緯はこのようなものだが、「AIアクセラレーター」という呼び方にまだピンと来ない人がいるかもしれない。

 分かりやすく説明すると、GaudiはGPUから、普通のGPUに求められるグラフィックス機能を省いたものだ。言うなれば「ガチのGPGPU専用GPU」なのだ。

 「NVIDIA Hシリーズ」や「AMD Instinctシリーズ」といった競合製品は“GPU”で、3Dグラフィックスのレンダリングにも対応している(実際に、クラウドゲーミングや超高度な3Dグラフィックスを扱うサーバでのレンダリング用途で採用されるケースもある)。そういう意味で、ある程度の汎用(はんよう)性も備えている。

 それに対して、Gaudiシリーズにはグラフィックス機能が一切搭載されていないため、HシリーズやInstinctシリーズのようにレンダリング用途には使えない。極端な言い方をすれば超高速な演算をすることにしか、役割を見いだせない。

 普通のGPUとしては利用できないので、「AIアクセラレーター」と呼んでいる――そう解釈してもいいかもしれない。

●アーキテクチャから見る「Gaudi 3」

 ここからは、Gaudiの最新世代となる「Gaudi 3」のアーキテクチャをザッと見ていくことにしたい。

 その名の通り、Gaudi 3は「Gaudi 2」の後継となる。基本的なアーキテクチャは引き継ぎつつ、演算コアとなる部分を中心に増強を図ったものだと理解するといい。製品はOAMモジュール、ユニバーサルベースボード(OAMモジュールを8台搭載)に加えて、PCI Express 5.0カードも投入される。

 上に示したOAMモジュール版の中央部には、Gaudi 3のチップが配置されている。上下に4つずつ、ほぼ正方形のダイが見えるが、これはHBM2E(広帯域メモリ)のチップだ。容量は1基当たり16GBなので、合わせて128GBのHBM2Eが搭載されることになる。

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