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鏡から映像が飛び出す!? NTTが肉眼で楽しめる「超鏡空中像表示システム」を開発 文化施設を中心に訴求

ITmedia PC USER / 2024年7月26日 15時5分

鏡から映像が飛び出す!? NTTが肉眼で楽しめる「超鏡空中像表示システム」を開発 文化施設を中心に訴求

NTTが開発した「超鏡空中像表示システム」(プロトタイプ)

 NTT(日本電信電話)は7月26日、VRゴーグルや3Dグラスを装着せずに、バーチャルキャラクターが鏡から飛び出して見える「超鏡空中像表示システム」を開発したと発表した。同社によると本技術は世界初とのことで、博物館や美術館といった文化施設への導入、デジタルサイネージへの活用、イベントなどエンターテインメントの場において、新たな映像視聴体験の創出が期待できるという。

●「超鏡空中像」とは?

 「超鏡空中像」はNTTによる造語で、バーチャルキャラクターを鏡の中に表示するだけでなく、鏡の外にも自在に移動させることができるという映像表示技術だ。

 バーチャルキャラクターなどを、鏡の内から外へと連続的に空中に表示することで、高い“実在感”を実現している他、鏡の内外どちらに表示されている場合でも、ユーザーが自分の手を見ながら、双方向的かつ直感的な操作が可能になるという。

 また、鏡を3面構成とすることにより、視域の拡大を実現している。公開されたプロトタイプでは4~5人が同時に空中像を視聴できるようにしている。具体的なデバイスのサイズは奥行きが約2mで、ハーフミラーの一辺が約60cmとなっており、20cmのサイズで空中像を表示できる。サイズは、用途に応じて「小型化」「大型化」どちらにも対応もできる。

●開発の経緯

 本システムを開発した「人間情報研究所」は、NTTの研究開発部門(R&D)の一翼を担う「サービスイノベーション総合研究所」の傘下にある社内研究所の1つで、主に実世界とサイバー世界の新たな共生に関する革新的研究開発を担う。その一環としてデジタル情報の表示技術の研究に注力しており、3D映像表示技術や空中像表示技術に取り組んできた経緯がある。

 超鏡空中像は、従来の鏡に映像を表示する「ミラーディスプレイ技術」や、空中に映像を表示する「空中映像表示技術」とは異なる技術だという。同研究所の巻口誉宗氏(サイバー世界研究プロジェクト 主任研究員)は以下のように説明する。

 (超鏡空中像では)ミラーディスプレイのように鏡の中への表示に縛られず、鏡の外の空間中にも映像が表示できる。再帰反射を用いた空中像光学系の「再帰反射素子」を利用しており、入った光がそのまま入った方向に返る特性を生かしている。交通標識をクルマのライトで照らすと、ライトの方向が明るく見えるのと同じ仕組みだ。 今回、ハーフミラーと組み合わせることで、空中像を結合することが可能となり、ユーザーから見ると、ハーフミラーより手前に映像が表示されることになる。

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