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なぜPCに「AI」が必要なのか? HPのキーマン2人に聞く

ITmedia PC USER / 2024年10月4日 11時5分

●PCのスペックの“バランス”をどう考える?

―― Microsoftの「Copilot+PC」もそうだが、最近PCに求められるスペックが一気に引き上げられる傾向にある。メモリとストレージ容量のバランスについて、どう考えているのか?

チャン氏 まずメモリの話をすると、スピード面は規格が「DDR4」から「DDR5」に移行する過程で、サイズとパフォーマンスの両方が向上した。「今後(スペック面で)何を期待するのか?」が質問の趣旨だと捉えるが、AIの文脈で考えればより多くのプロセッサパワーを要求されるのは間違いない。同時に、そのパフォーマンスはメモリに縛られており、特にローカルで言語モデルを実行しようとすると、特にメモリが重要となる。

 歴史的に、PCで優れたパフォーマンスを得るには少なくとも8GBのメモリが必要とされているが、業界として実際には16GBが最低ラインだと考えている。そして将来的には、より多くのAIモデルが効率化され、それを実行するのに32GBがちょうどいいサイズになる可能性があると思われる。特に大学でSTEM(※2)を学んでいる学生や、フリーランサーとして大量のデータや動画編集を扱っている人には、32GB(のメモリ)はちょうどいい出発点になるだろう。

(※2)科学/技術/エンジニアリング/数学

 ストレージ容量については、こちらもPCのプライバシーを保護しつつ、動画を録画する場合に、いわゆるバックアップを行うアプリが登場することになる。現状では512GBや1TBがボリュームゾーンだが、PCで行う作業次第ではあるものの、より多くの容量が多く求められるようになり、人によっては「スペースは多いに越したことはない」という状況だといえる。

―― AI PCでは内蔵NPUのスペックが重視される傾向があるが、この数字は今後も増え続けると考えているのか?

チャン氏 現状のAI PCでは、NPUの性能は40~50TOPSクラスが最高レベルだが、特定のアプリではピーク性能を向上すれば、よりパフォーマンスも向上することも分かっている。この話はNPUのみならずGPUにもいえることで、多くのアプリではGPUの方がプログラムを書きやすいという事情がある。

 例えば今回のイベントではCyberLinkとのデモを紹介した。彼らは画像生成はNPU、言語理解はGPUを用いて処理を行っている。つまり、実際のAI処理はNPUとGPUの両方を用いているわけで、重要なのは(処理に使うプロセッサの)組み合わせだと考える。

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