1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. IT
  4. パソコン

PCのバッテリー交換DIYが当たり前に? 2027年に迫る欧州の“バッテリー規制”、各メーカーの現実的な対応策は

ITmedia PC USER / 2024年10月4日 15時5分

 しかし、バッテリーセルを本体に内蔵し、製品のボディーでバッテリーも保護する設計にしたらどうか。すると交換式バッテリーの外装で生まれる厚みを節約できる。これが本体の薄型化を実現できるロジックだ。

 Appleはこう考えて、バッテリーを交換式から組み込み型にしたのだろう。当時は「(実は筆者もその一人だが)そこまでして薄くしなくてもいいのでは」という声もなかった訳ではないが、薄さを追求したAppleの決断は市場に評価され、他のメーカーも追従した。これが2010年代を通じて市場で起こったことだ。

●バッテリー交換式を続けるLet's note、薄型と交換式を両立させたDynabook、新たに参入したエプソンダイレクト

 そうした動きも、ここ数年徐々に変化が生じている。その最大の要因は、持続可能な社会を実現していこうという社会情勢の変化やユーザーの意識の変化だ。

 以前からのユーザーが組み込み型バッテリーのノートPCに不満を感じる点として、「PCのパフォーマンスは十分なのに、数年でバッテリーの寿命が尽きてしまう」というものがある。

 バッテリー交換はメーカーに修理扱いで依頼するしかなく、バッテリー自体のコストに加えて技術料などが付加される。これでは同じ機種を使い続けるモチベーションが低下してしまう(買い替えは促進されるが……)。持続可能な社会を実現する上で、良いことだとはいえない。

 そこで、ここ数年はバッテリーが交換可能なノートPCに注目が集まりつつある。パナソニック コネクトのLet's noteシリーズは、現行製品のFVシリーズ、SRシリーズ、QRシリーズのいずれの製品でも着脱式バッテリーを採用している。

 Let's noteは最新モデルに限らず、世の中の流れに反して着脱式バッテリーを一貫して採用し続けており、それがLet's noteのアイデンティティーの1つにもなっている。

 直近では同じく国内PCメーカーのDynabookが、2023年に発売した「dynabook X83 Changer」でバッテリーを交換可能にする新設計を採用した。Let's noteのようにワンタッチで交換できる着脱式ではないが、ユーザーの手で純正オプションの純正バッテリーに交換可能だ。

 さらに法人分野で根強い人気のエプソンダイレクトも、ワンタッチでバッテリー交換が可能な13.3型ノートPCの投入を10月1日に予告したばかりだ。こちらはツールレスでバッテリー交換が可能な機構を採用しているという。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください