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ノジマ傘下入りが決まった「VAIO」の物作りはどうなる? 安曇野の本社工場を見学して分かったこと

ITmedia PC USER / 2024年11月19日 17時15分

 今回の株式譲渡に関するリリースの中で、VAIOは「2014年に独立して以来、長野県安曇野の本社工場を拠点に、高性能、高品質の製品を数多くお客さまにお届けし、成長を続けてきた。ノジマからの支援を受け、これまで以上に顧客、パートナー、ベンダーのみなさまの期待に応えていけるように邁進する」とのコメントを発表している。

 冒頭にも触れたように、今回の生産現場の取材に際して、VAIOの山野社長はVAIOの独立性が今後も維持されることを示しつつ、事業運営方針や商品理念に加えて、その礎となる本社工場での高品質な物作りがこれまでと同様であり、何も変化がないことをコメントしている。

 では、安曇野におけるVAIOの“物作り”はどうなっているのだろうか。現場の様子を写真を交えつつ紹介していこう。

●基板実装工程

 「基板実装工程」では現在、薄型軽量のモバイルディスプレイ「VAIO Vision+」の基板の他、セキュリティチップ(TPM)、指紋センサーなどを生産している。一方で、VAIO SX14-Rを含むノートPCのマザーボード(基板)は協力工場で生産しているという。

 「せっかく工程があるのに、ノートPCの基板を作らないのはどうして?」と思うかもしれないが、現在の生産規模を鑑みると、自社で基板を生産するよりも、協力工場の生産体制を活用した方が部品調達力やコスト面でのメリットがあると判断しているとのことだ。ただし、工場内に「外観検査機」を設置し、納入された基板を全量検査することでVAIOならではの品質を維持している。

 なお、基板の全量検査はVAIO SX14-Rから新たに導入された。VAIO SX14-Rの海外生産分についても、当地で検査を行った「安曇野品質」が保証された基板を輸出することで品質の維持につなげるとのことだ。

 一方で、VAIO Vision+の基板などの製造など継続/維持しているのは、基板実装工程におけるノウハウの蓄積と、技術者の確保/継承を目的としている。協力工場との対話においても、蓄積してきたノウハウを生かしつつ、品質を高めることにつなげることができているという。

 外部で生産した基板を外観検査機で再検査できるのも、自らが基板製造や検査のノウハウを蓄積しているからこそ実現できるものだと説明する。今後、ノートPCの生産数量が増加すれば、本社工場において再びノートPCのメイン基板の生産することも検討していくことになるだろう。

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