[瀬尾温知]【Jリーグで誤審続出、技量不足露呈】~メディアは審判の評価を報じよ~
Japan In-depth / 2015年3月16日 11時30分
誤審による疑惑のゴールがJ1・第2節でも起こった。第1節の清水対鹿島、G大阪対FC東京戦でも得点に絡む誤審が生じており、2015シーズンは開幕早々からJリーグ審判団の技量不足が目立つ格好となっている。
第2節の誤審は川崎対神戸の試合だった。川崎の大久保がヘディングシュート。神戸の奥井がゴールに戻りながら懸命にクリアしたボールはクロスバーの下を叩いたあと、ゴールラインの白線上でバウンドしていた。今村主審は得点を認め、神戸の選手たちは主審と副審に詰め寄ったが判定はもちろん覆らなかった。
この場面は、ボールのスピードが速く、腕のよい主審でもゴールラインを越えたかどうかの判定の見極めは難しかっただろう。だからこそ、機械で判定するGLT・ゴールラインテクノロジーが活用されるようになってきた。
ワールドカップ・ブラジル大会では全12会場に設置され、スタジアムのスクリーンで、テレビ映像で、それぞれビデオ判定が映し出された。審判、選手、観客、視聴者のすべてが納得し、そして判定の瞬間を楽しんだ。欧州では、すでに導入しているプレミアリーグに続き、ブンデスリーガ、セリエAも来季から採用することを決めている。Jリーグもファンを第一に考え、高額費用に尻込みせずに早く導入してもらいたい。
GLTの要望は別として、審判の技量向上への案を考えたい。一線級の主審は、多大なプレッシャーの中で集中力を高め、ミスのないようにジャッジする経験を積み重ねて腕に磨きをかけた。つまり主審にとって、注目されて試合に臨むことが、技術の向上に役立つと言い換えることができる。
先日、ブラジルの州選手権で、インテル対グレミオのライバルチームの直接対決があった。試合の3日前に主審を決める抽選が行われ、ジャン・ピエール・リマ氏になった。地元の一般紙「ZERO HORA」は、翌日の紙面で主審へのインタビューを記事にした。
地元紙:「どのように試合を進めるつもりですか? 必要とするのはカードか、それとも選手との対話でしょうか?」
主審 :「試合次第です。口頭で伝えることが、カードの提示より効果があることもあります。試合が始まってみないとそれはわかりません」
といった具合で、経歴も紹介され、さらにこの州選手権でもっとも多く笛を吹いている主審で、7試合で27のイエローカード、1レッドカードを提示しているとのデータも掲載した。
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