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[文谷数重]【「ドローン規制」に有効性無し】~必要なのは施設側の警備強化~

Japan In-depth / 2015年4月24日 11時0分

[文谷数重]【「ドローン規制」に有効性無し】~必要なのは施設側の警備強化~

テロを法律で禁止してもテロは根絶できない。同じようにテロ対策としてドローンを法的規制しても、ドローンによるテロは根絶できない。

ドローンは従来警備の穴を明確にした。4月22日、首相官邸の屋上への着地発見により、重要施設でも空からは容易に進入できることが判明したのである。

この問題を受け、政府はテロ対策として早急なドローン対策を図ることとなった。発見翌日の23日には、重要地区での飛行禁止や、所持に手続きを持たせるといった話が出ている。だが法的規制を掛ければ、警備上の問題は解決するのだろうか?

■ 飛行禁止を守るだろうか?

テロ対策として飛行禁止を設定しても意味はない。テロ組織は法を守らない。殺人や傷害は刑法で禁じられているが、テロ組織はそれを守るだろうか?

また、飛行禁止を強制する方法もない。現状では飛行中のドローンを阻止する手段はない。上空を監視し、侵入ドローンを発見し、撃ち落とすシステムといったものだ。将来的にドローンを落とすドローンや、飼いならした猛禽類等といったものがなければ、法律で禁止しても強制はできず、実効性は期待できない。

操縦者への強制も難しい。禁止地域の1km先から操縦されれば、操縦者を発見できず飛行中止の強制もできない。そしてドローンは本質的に遠距離からでも操縦できる。高いところに登れば1-2km先での操縦は問題とならない。高速回線の携帯電話を利用すれば、ドローンが見えない地下室や、海外からでも操縦できる。禁止ドローンを強制阻止できない以上、飛行禁止は実効性を持たない。

■ 操縦資格も効果はない

操縦資格を作っても、やはりテロ対策としての効果は少ない。もともと操縦容易である。姿勢安定が自動化されておりラジコンのように苦労する必要はない。飛ぶ方向を事前設定し、最終段階ではカメラ画像を見ながら方向だけ誘導すれば済む。技量が要求されない以上、資格や資格者登録はあまり意味はない。テロで使うなら、人目にどこかの山中で2-3回も訓練で飛ばせば充分である。

実際に制度を作っても、どうでもいい教育に終わる。「飛行禁止地区で飛ばすな」とか「高度は1000フィートまで」といったものだ。もちろん、テロを決意した人間には何の効果ももたらさない。

■ 販売・購入制限もテロ対策にはならない

販売や購入、登録制度もテロ防止にはつながらない。ドローンは自作容易であるためだ。中核部分は一般品である。キモは安定機構だが、ほぼジャイロとプログラムである。汎用品のジャイロは販売制限できないし、ハードもPICと制御系で済み、そのプログラムの流通も制限できない。

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