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[安岡美佳]【オンライン・ディベート全盛の北欧】~メディアのデジタル革命でプロとアマの境界も消える〜

Japan In-depth / 2015年5月17日 18時0分

2012年は、デンマークでネット新聞の購読者数が従来の紙新聞の購読者数を上回り(デンマーク統計局)、大手メディアのソーシャルメディア活用が盛んになるなど、北欧のデジタルメディアが変容した時期と言われる。同時に、従来手法の維持、既得権益の保護という戦略ではなく、イノベーションを起こすという方向性が明確になった時期でもある。

近年、前述のEGMONTやAller(デンマークメディア大手)は、共に、ネット重視、北欧に閉じないグローバル戦略、世界中に溢れるプロレベルのアマチュアの活用、より読者に近づき、主観的コメントを活用するなどの戦略を積極的に採用するようになってきた。社内インキュベーションとして2012年に立ち上げられたAllerのスタートアップ組織Aller Innovationなども注目される。このプログラムからはじまったものに、世界の皇室のニュースを集めたソーシャルメディアRoyalistaや日本をターゲットとしたThe Nordic Courierなどのデジタル雑誌がある。Royalistaは、世界各国からのアクセスが見られ、欧州外では、タイやアラブ諸国からのアクセスがトップを占める。

今後オンラインディベートなどにみられる双方向性の活用がより盛んになると、さらにコントロールが難しくなり、プロとアマの境が曖昧になっていくだろう。そのような社会で、メディアがジャーナリズムの役割を果たすには、どうしたらいいのか。北欧メディアの試みからは、国際的な視野を持ち、今までのやり方に固執しないことが不可欠であるという一つの視点が示されているようだ。

*国営放送局で、88年までデンマーク唯一のテレビ局だった。

**人口5,6万人の国の3万人にあたる。日本は、人口1億2千万のうちの28万人であるので、約国民の1/4が利用している計算になる。

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