【これからの政治に必要なのはメディアのイノベーション】~大阪都構想住民投票と国立競技場の失敗から~
Japan In-depth / 2015年5月25日 23時0分
大阪都構想の住民投票の結果が出て1週間が経ちました。ひと通り、各界からのオピニオンが出揃ったと思います。すでに周知になっていることは、
・いわゆるシルバーデモクラシーによって結果が出たとはいえない
・いわゆるキタ・ミナミの地域別の賛否も明確に分かれていない
ということです。
都構想について、私は賛成です。選挙結果を受けて、今後は改めて話し合いの機会が持たれなければなりませんが、いままでの負の遺産が、話合いで済むレベルと超えているのが大阪です。二重行政による失政や、大阪における公務員の逮捕者の多さを解消してゆくために都構想や新たな制度は必要であると考えます。
ただ、制度を導入したから、問題が解消することはないのです。制度は運用の仕方次第で、ようやく成果を出すことができます。導入=ゴールというのはさまざまなケースで、勘違いが起こりやすく注意が必要です。
この制度を誰が運用するの?という暗黙の答えは維新の会であったかもしれませんが、もしかすると、自民党が運用することだってあるかもしれません。制度は政党と紐づくものでありませんから。
そのような視点で今回の住民投票を見ると、コミュニケーション面で制度に対して賛否をとるという二項対立に勝負を狭めてしまったことで、未来感が薄れ、勝機をみすみす失ったと見ています。
同時期に、国立競技場の屋根がオリンピックまでに間に合わず、舛添都知事に政府が建設費として500億を要求することがニュースになりました。一見、関係のないニュースですが、誰も責任を負わず国民の富が無駄に使われているという点で、大阪が積み重ねてきた失政が首都東京でも起こっているわけです。それも現在進行形の事象として。
新国立競技場は、仕様変更によって実は旧国立競技場の改修でもよいことが明白になったのですが、このニュースが報じられた時には、歴史ある国立競技場は壊されて更地になっていました。
そして、この責任は誰も取りません。1300億円といういい加減な初期見積もりは3000億円に膨れ上がり、工期が間に合いませんから、規模縮小、その半分は東京都にお願いという、なんというか、どこの発展途上国だという荒れっぷりです。貧乏ゆえ、規範が弱い社会ではなく、豊かゆえ、見ている方向がバラバラな社会である21世紀の日本では、こんなことが日常化しています。
私は、投票日にこんな連続投稿をツイッターに入れていました。《大阪都構想の住民投票の日に考えた》この中で、"都構想成立後は、役所にいままでのおまかせ行政をさせず、政策のおまかせ意識を住民から取っ払うコミュニケーションデザインを打ち出して、いままでの政治とはちがう世界が来たんだよーと言えるようにした方がいい。"と書いていました。
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