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[Japan In-depth 編集部]【米五輪王者衝撃の告白「私はトランスジェンダー」】~65年の偽りの人生にピリオド~

Japan In-depth / 2015年6月6日 13時48分

ジェンナーのカミングアウトについてアメリカのメディア界で様々な意見が飛び交う中、世間一般の人の多くが不思議に思ったのもこの点だ。なぜ、3人もの女性と結婚し、実の子を6人まで授かっている男性が自分は本来女性として生きたかったと思えるのか?トランスジェンダーは必ずしも同性愛的感情があるとは限らないのが事実とはいえ、多くの人はこの点がいま一つ不可解な様である。

23年間、ジェンナーと共に夫婦として過ごした3人目の元妻クリス・ジェンナーも、元夫のカミングアウトをサポートしていると言ってはいるものの、あるインタビューで、「何故幼い頃より女性になりたいと切望していたのに、結婚して、子どもが欲しいと思えたの?」と理解に苦しむ様子を露わにしている。

ちなみに、10人の子供達と他の元妻の2人、本人の母親も、皆ジェンナーの今回の決断をサポートしていると公言している。

独占インタビューが放映された時のジェンナーは以前の男性の姿で番組に出演し、インタビューアーが本人を呼ぶ代名詞や名前も男性のままのものだった。しかし、わずかその1ヶ月半後の6月1日、ついにジェンナーは女性として生まれ変わったのだ。新しい姿とアイデンティティはアメリカの有名雑誌の「Vanity Fair」の7月号の表紙となり、見出しには“Call Me Caitlyn”−「ケイトリンと呼んで」 と記載された。

今のところ性転換手術は行っていないそうだが、フェミニンな顔立ちになる為に10時間にも及ぶ整形手術を施すなど、“彼女”のその変貌ぶりは、これから歩む第二の人生に腹を据わらせた覚悟を表しているようにも見えた。

表紙を飾ったケイトリンの容姿をとても美しい、セクシーだ、と讃えるメディアが多い一方、批判的な意見も少なくはない。たとえば、人気トークショー、「The Daily Show」で司会をするジョン・スチュワートのその批判はマスメディアに向けられた。真っ白のランジェリーコルセットを纏い、妖艶なヘアメイクとセクシーポーズを決めるケイトリンの容姿ばかりが注目を浴びることが、悲しくもアメリカ社会の歪んだ女性に対する見方を表していているだけで、本題からずれていると指摘した。スチュワートはこう言った。「ケイトリン、あなたが男性だったころ、世間はあなたのアスリートとしての能力やビジネスに対する洞察力を話題にした。女性になった今は、あなたの外見だけが重要になってしまったよ。」

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