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[遠藤功治]【トヨタ系部品メーカーからの調達を得たマツダ】~大手自動車会社決算と今後の課題 マツダ 3~

Japan In-depth / 2015年6月7日 18時0分

一方、デンソーは、売上高の半分がトヨタであり、トヨタの1,000万台+のスケールメリットがある会社です。つまり、マツダがある一定の部品を、ある値段で購入できるのは、その部品が既にトヨタの1,000万台のスケールを取りこんで、コストダウンが出来た部品だからです。つまり、間接的に、マツダは既にトヨタの1,000万台のボリューム効果を、部品調達を通して得ている、と言う訳です。但し、その部品は、往々にして、トヨタに納入されて何年か経った後の部品という場合が多いのも事実です。

今一つは、先のSKYACTIV、及び次世代のSKYACTIV-2で、技術的に最も重要な部品は、デンソーから来ているという事実です。これがコモンレ―ルと言われる部品、所謂、燃料料噴射装置です。一定のそれも非常に少ない量の燃料を、高圧でシリンダー内に噴射、これを空気と混ぜ、自然発火させるのが、前述したHCCIの技術ですが、これが成功するかどうかは、デンソーの技術レベルに掛っていると言っても過言ではありません。

つまり、マツダにとって、今回のトヨタとの提携は、トヨタ系列部品メーカーとも提携していることと同じで、コスト面のみならず、最新鋭の先端技術なり部品が、トヨタ系列の部品メーカーから今後調達できる、ということに他なりません。トヨタにとっても、自分が開発する時間が無いレシプロエンジンに於いて、マツダがデンソーの技術を使って開発してくれたエンジンであれば、より使いやすいとも言えましょう。

今回の提携に出資はありませんでした。金の切れ目は縁の切れ目とも言いますが、今回は初めから出資関係はありません。当面は無いのでしょうが、未来永劫将来のことは分かりません。豊田社長は婚約期間が一番わくわくすると言っておりました。結婚すると嫌な面がより現われてくるのというのでは身に詰まる話しですが、上記のように、開発費のシェアや部品調達の拡大などは、最終的には大きな財務的なプラス効果で、出資があるかないかなど論議するよりも、よっぽど実体にプラス効果をもたらすことでしょう。これで気になるのは他のメーカー、特に、スズキと三菱自動車です。次の提携があるのか、どうか次回は、このスズキを取り上げたいと思います。

(この記事は、【株価一人負けのマツダ、その理由は?】~大手自動車会社決算と今後の課題 マツダ 1~、【トヨタがマツダにアプローチした理由】~大手自動車会社決算と今後の課題 マツダ 2~ の続きです。このシリーズ全3回)

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