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[渋谷真紀子]【全米で同性婚合法に。法律に追いつけ意識改革】~“Love is Love!”ブロードウェイミュージカルの力~

Japan In-depth / 2015年6月29日 23時0分

演劇には、人間の真実や知られざるストーリーを描き、社会に問題提起をする役割があります。Playbillが同性愛者の平等な権利を主張してきた歴史という記事を投稿したように、ブロードウェイにはその歴史があります。12年のトニー賞授賞式のオープニングアクトで、司会のニール・パトリックが“Broadway is not just for gay anymore.”とギャグにした程、“Rent”や“Kinky Boots”、“Book of Mormon”のように愛されゲイキャラクターをメジャーに送り出し、制作者側にもゲイをオープンにしている人達が多く、受け入れる環境があります。

衝撃的な主張として残っているのが、1969年に初演された“Hair”でのヌードシーン。これは、どんな性のアイデンティティでも、同じ美しい人間なんだ、ありのままの自分に誇りを持とう、というメッセージが含まれていました。エンターテイメントのメッカ、ブロードウェイで、ベトナム戦争時の若者の反戦運動を題材に、人種や性のアイデンティティ等、愛と自由・世界平和への社会運動の一部としての役割も担ってきたと初演したPublic Theatreの芸術監督はいいます。その後も“Hair”のチームは、興行収入の一部をエイズの子供達に寄付したり、人種や性差別に対して平等を訴えるデモ運動等にも参加したりしてきました。ブロードウェイは、LGBTQコミュニティの人達だけでなく、そうでない人達までも巻き込めているため、影響力が大きいのです。

本当の闘いはこれから。多くの人達がそう話します。“Love is Love.”人種・ジェンダー等の違いによる差別から解放され、人が人を愛するというオープンな考え方にそれぞれがなる為には、ブロードウェイのショーやマスメディアのイメージだけでなく、深く話したことがない自分と違う考え方の人と友達になり、じっくり語り合う等、日常から理解していくことも大事だと思います。合法のビッグニュースを機に、コミュニティ以外の人達にとっても身近なこととして、理解促進・意識改革へと向かう新時代へ動き始めています。

 

注1)

Pride Month とは、LGBTQコミュニティの人権運動を行う月のこと。全米の様々な都市で大規模なパレードが行われ、社会のLGBTQ意識と理解を高めることに貢献している。

注2)

ジョージ・タケイ 日系アメリカ人俳優。「スタートレック」シリーズのスールー役で人気を博した。

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