【米・子供達の夢を実現させる演劇教育】~ 演劇人が正当に評価される社会~
Japan In-depth / 2015年7月13日 7時0分
「ブロードウェイは、「私の」ショーではなく、「私達の」ショーであることを体感して欲しい。将来ブロードウェイを担っていく共演者、そして実際に活躍しているプロと出会うことで、刺激し合い、仲間を創る機会になってほしい。」これは先日行われた、高校生のトニー賞ことJimmy賞授賞式に関する開催者インタビューの一部です。この賞は、全米から選出された高校生が、1週間ブロードウェイで活躍するプロフェッショナルからレッスンを受け、最終的に最優秀男優賞と女優賞が選ばれるものです。
司会はトニー賞受賞したFun Homeのマイケル・サルベリとトニー賞でお馴染の女優サットン・フォスターという豪華なコンビで、選考委員もブロードウェイのキャスティング担当者・劇場経営者・ディズニーシアティカルの社長等、プロへの道に導いてくれる方々。アメリカの高校演劇のレベルの高さを表彰しようということで7年前から作られました。受賞者は演劇の名門ニューヨーク大学とカーネギーメロン大学への入学や奨学金の付与等、今後の教育が援助されます。夢の世界を一瞬体験するばかりでなく、“Dream Big!(夢は大きく!)”の言葉の通り、彼らの夢を実現させるためのパスとなる賞金が渡されるのです。
アメリカで演劇・演劇教育をしていて痛感するのは、小さい頃から演劇がより身近であることと、演劇人を育てる環境に恵まれていることです。劇場主催の演劇クラスや学校での演劇クラス(必修ではないので選択科目)が代表的で、夏休みのサマーキャンプも入口として大きいです。
6月から8月と夏休み期間が長く共働きが多いアメリカでは、親が積極的にサマーキャンプに通わせます。学校のように複数のプログラムの一部として演劇がある場合もあれば、YMCAのようなコミュニティ団体が開講する演劇クラス、演劇学校や劇場が開講する演劇スクール、演劇の名門大学が開講する受験準備コース等、レベルは子供達の興味に合わせて選べます。
その道を本気で目指したい子達は、高校もパフォーミングアーツで専門性を追求することができます。商業演劇で活躍する演劇人のほとんどが大学で演劇を専攻しており、プロフェッショナリズムとして確立しています。体系的に4年間演劇を理論と実践で学ぶ人達が大勢いることは、演劇教育者となって還元されていく大きな要因だと思います。大学時代の仲間が商業演劇の世界で活躍し、そのコネクションを自分の生徒達に還元できるメリットになるのです。
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