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[清谷信一]【自衛隊を縛る法律の改正が先だ】~安全保障論議の前に 1~

Japan In-depth / 2015年7月20日 23時0分



陸自の個人用のファースト・エイド・キットにしても国外用と国内用があり、国外用がポーチ含めて8アイテム、国内用はポーチ含めて3アイテム、内容は止血帯と包帯が各一個しかない。とても実戦を想定しているとは思えない。防衛省や陸幕は戦時には国内用に国外用と同じアイテムを補充するといっているが、それは備蓄が殆どなく、流通在庫を当てにしている。これらのアイテムの多くは輸入品であり、使用期限もあるので業者は在庫を大量に抱いてはいない。戦時に補充するなど机上の空論である。これで実戦が出来るわけがない。この辺りの事情は以下の記事を参照して欲しい。

 

【陸自ファースト・エイド・キットが貧弱な件 1】~陸幕広報は取材拒否~

http://japan-indepth.jp/?p=17056

【陸自ファースト・エイド・キットが貧弱な件 2】~中谷防衛大臣の答弁に違和感~

http://japan-indepth.jp/?p=17059

 

自衛官を国際貢献で犬死にさせていいのか

海外派遣の前に考えるべきこと(下)

http://toyokeizai.net/articles/-/73521

<自衛隊員の命は、ここまで軽視されている

海外派遣の前に考えるべきこと(上)

http://toyokeizai.net/articles/-/73492



陸自では途上国の軍隊でも当然のように装備している、装甲野戦救急車すらまったく装備していない。1両たりとも持っていないのだ。それでこれまでもPKOなどの任務に付いている。全く正気とは思えない。



実戦で死傷者がでることを想定していないのはゴッコにすぎない。戦争ごっこが「常識」の組織からの「ご説明」を鵜呑みにした政治家が、実際の戦争や戦闘についての議論を行っても虚しいだけで、まともな結論がでるわけもないだろう。戦争で死者やけが人がでることを想定してない組織が、国会で議論されてきたような「実戦に投入されればどうなるのか。子供でも想像が付くだろう。

兵站を後方支援と称するのは買春を援助交際とか、敗戦を終戦と言い換えるような、自分で自分をだます行為以外のなにものでもない。兵站活動は軍事行動そのものである。「安全な後方」で行うならば「軍事活動ではない」。だから、仮に「後方支援中」に敵対勢力につかまっても「捕虜ではない」と外務大臣が答弁したが、国際的には全く通じない。

このような発言は敵対勢力に「自衛隊は捕虜扱いしなくていい」、と言っているのも同然だ。ジュネーブ条約で原則的に軍隊以外の交戦行為は禁じられているが、「捕虜扱いしなくていい」なら、捕まった自衛官の権利は保証されない。単なる「犯罪者」として処刑されても文句は言えない(言えるだろうが先方は気にしない)。不思議なことにマスメディアは殆どこのことを報道も議論もしていない。

*写真1:見本市で展示されたメディック用品。

*写真2:米軍用の止血帯。先端が赤く着色されている。

*写真3:幅の広い包帯やガーゼは止血に必要だ。

(【国連加盟がナンセンスなわけ】~安全保障論議の前に 2~  に続く)

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