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【英、無償の医療は「クラウンジュエル=家宝」】~高度福祉国家の真実 5~

Japan In-depth / 2015年8月21日 11時0分

日本と違って英語圏であるため、医師免許や看護師の資格があると、カナダ、オーストラリア、南アフリカなどで職を得ることが可能で、これも大量退職の一因となった。こうして崩壊寸前に追い込まれたNHSであったが、1997年にトニー・ブレア率いる労働党が、実に18年ぶりに政権を奪還したことで、息を吹き返す。彼はNHSを「英国民のクラウンジュエルである」と表現した。クラウンジュエルとは、王冠の正面を飾る一番大きな宝石のことで、あえて日本語に訳すなら「家宝」となるだろう。


いや、英国経済を再生させ、ブリテンを再びグレート・ブリテンにした、と称されたサッチャー保守党政権を、これ以上の福祉切り捨ては許さぬ、と追い詰め、後継者のジョン・メージャーを総選挙で破ったのであるから、もしかすると「伝家の宝刀」が正訳なのかも知れない。とどのつまり、国民の権利意識の問題なのだ。


(この記事は、
【最後は国が本当になんとかしてくれる、のか?】~福祉先進国の真実 1~
【英、無償の医療は当然の権利】~福祉先進国の真実 2~
【実は高福祉・高負担な英国】~高度福祉国家の真実 3~
【英、医療の進歩が財政のネックに】~高度福祉国家の真実 4~
の続きです。あわせてお読みください)

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