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[一色ふみ]【「食べるプラスチック」のリスクを知ろう】~トランス脂肪酸とは?~

Japan In-depth / 2015年8月24日 23時0分

[一色ふみ]【「食べるプラスチック」のリスクを知ろう】~トランス脂肪酸とは?~

「トランス脂肪酸」という言葉を聞いたことはありますか?
特定の食品に含まれ健康を害するものとして注目をされている物質の一つです。
今回はそのお話をしようと思います。

●トランス脂肪酸とは?●
簡単に言うと、液体の油を固体に加工する過程や揚げ油の高温加熱で作られてしまうもので、体に悪影響を及ぼすとされる物質のことです。また、人工物ではなく天然の物(牛や羊などの肉や乳)にもわずかに含まれています。

●トランス脂肪酸を含む食品は?●
食品の中で特に多く含まれているのはマーガリンです。また、スナック菓子や菓子パン、マヨネーズ、コーヒーフレッシュなどにも含まれています。

●ショートニングとは?●
マーガリンと並んでトランス脂肪酸を非常に多く含む食用油脂に、ショートニングがあります。ショートニングは食品をサクッとした食感に仕上げるために使われる油脂で、それ自体に味はないため加工がしやすく、菓子パンの製造過程で練りこまれたりスナック菓子やファストフードの揚げ油に使われたりしています。

●トランス脂肪酸が及ぼす悪影響とは?●
トランス脂肪酸は「食べるプラスチック」とも言われています。過剰摂取すると悪玉コレステロールを増やし善玉コレステロール(悪玉を退治してくれる良い成分)を減らすということがわかっており、心疾患のリスクも高まります。
今月発行の英医学誌における最新の情報では、トランス脂肪酸の摂取過剰で死亡や心臓病発症のリスクが確実に上がることが発表されました。(注1)

またFDA(アメリカ食品医薬品局)は今年6/16に、3年以内に国内全土でトランス脂肪酸生成の素となるPHOs(植物性油に水素を加えて作る固形の油脂)使用の全面禁止(FDAに申請をし、使用許可を得た場合を除く)を公表しました。(注2)このようにアメリカでもトランス脂肪酸は「安全ではない」と位置づけています。

●日本での規制は?●
日本では含有量は企業任せであって政府としては規制していませんが、トランス脂肪酸の過剰摂取によるリスクについて少しずつ知られるようになってきている今、日本でも含有量を減らす食品メーカーが増えてきました。

しかし、トランス脂肪酸含有量を減らした製造方法で製品を作ってみたはいいが、代わりに飽和脂肪酸(悪玉コレステロールの素となる物質)が増えてしまう、ということも実際に起きているようです。(注3)飽和脂肪酸のほうがむしろトランス脂肪酸よりも健康被害が大きいとも言われ、結局のところ健康被害を抑えられていないという現実があります。

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