[Japan In-depthチャンネルニコ生公式放送リポート]【“汚染水との戦い”に前進】~東電・福島第一原発最新情報~
Japan In-depth / 2015年9月4日 23時0分
福島の原発事故から早くも4年半が経過した。以前に比べて報道が少なくなった原発関連ニュースだが、現在の福島原発はどうなっているのか。今回は、NPO法人社会保障経済研究所代表石川和男氏をゲストに、福島原発の現状と、日本とエネルギーの未来について議論した。
まずは、福島第一原子力発電所の現状について。安倍編集長も石川氏も、それぞれ8月中に福島第一原発に取材に赴いていた。現在の状況について、石川氏は「放射能も以前より緩和され、危険区域と安全区域の棲み分けができている」と話すと、安倍編集長も「マスコミが現状を正確に伝えていないので、まだかなり危険な状態にあるのでは、と誤解している人も多いが現状はそうではない」と指摘した。
ここで安倍編集長が自ら撮影してきた福島第一原発内部の動画が放送された。その中で、瓦礫撤去中の3号機の様子や、使用済み核燃料棒を取り出す準備中の1号機、地下水が建屋に流入するのを止める棟土壁の実証実験などが紹介された。又、7000人の作業員の労働環境の改善のために整備された大型休憩所や食堂などの映像も流れた。安倍編集長は「汚染水の浄化がほとんど済み、建屋への地下水の流入がコントロール可能なところまで来ていることや、廃炉に向けての道筋がかなりはっきりと見えてきていることなどがわかってよかった」と今回の取材の成果を語った。
今回原発敷地における1時間程度の取材で安倍編集長が浴びた放射線量は、0.03mSv(ミリシーベルト)と、歯医者で口の中を撮るレントゲン3回分とほぼ同じの微量であった。動画を見て石川代表は、「メディアは汚染水が漏れた、など問題が起きた時は取り上げるが、普段はなかなかニュースにしない」という安倍編集長の意見に賛同し、「建屋周辺の井戸(サブドレン)から汲み上げた汚染地下水を浄化して海に放出する計画を地元の漁協が認めたことで、今まで感情的に反対されていた原発の汚染水問題も解決に向かって前進している」と周辺住民の歩み寄りを評価した。
スリーマイル島やチェルノブイリの原発事故と福島の事故との違いは、人類が初めて、自然災害によって事故に見舞われたということである。福島第一原発は現在、7000人が廃炉に向けて働いており、皮肉なことに停止している他の原子力発電所より“活気”があるのも事実だ。そして燃料デブリの状態を知るために、ロボットを使った作業が、放射線量が高くて人が入れない危険な場所で行われている。「廃炉に向けて開発されているロボットなどの最先端技術は、今後の日本の強みになるはずだ」と安倍編集長は述べた。
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