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【北欧で急速に普及した電子マネーの秘密】〜デンマークの「人を幸せにする仕組み」 3~

Japan In-depth / 2015年9月30日 11時0分

【北欧で急速に普及した電子マネーの秘密】〜デンマークの「人を幸せにする仕組み」 3~

デンマークには、独自のクレジットカード、ダンカード(DanKort)と呼ばれるデビットカードの仕組みがある。Visaやマスターカードが広がる前の1984年にデンマーク全土に導入されたこのカードマネーは、小切手市場の終焉を招いたと言われる。


それ以降、Visaカードやマスターカードなどのクレジットカードが導入し知名度を上げ現在にいたるが、デンマークでのカードというと、このダンカードを指すことが多く、デンマークでの生活には欠かせない。2015年にデンマーク住民の保有数が最も多いのはダンカードとVisaが提携しているDan/Visaカードと呼ばれるデビット・クレジットカードだろう。ただ、快進撃を続けてきたダンカードを脅かす存在が、この2年ほどの間に突如として現れた。モバイルペイである。



<デンマークの電子マネー、モバイルペイ>


世界中でApple Pay、Swipp、日本ではスイカなどの電子マネーが注目を集めているが、デンマークの電子マネーとして、注目を集めるのは、デンマーク独自の電子マネー、ダンスク銀行(Danske Bank)が提供するモバイルペイだ。モバイルペイは、ダンスク銀行に口座を持っていなくても利用できる電子マネーで、利用者が保有する銀行口座とリンクされている。デンマーク市場での競合は、多々あり、モバイルペイのほか、PayPal、Swipp、Apple Payなどがマーケットシェアを持っている。ただ、ダンスクバンクのモバイルペイが、2015年9月時点でもっとも顧客獲得に成功し、ほぼ寡占状態だ。


その様子は、2015年9月15日付日刊経済紙のボアセン(日経新聞のような位置付け)に掲載されていたデンマークのDIBS(支払い手続き業務などの請け負い大手)のレポートからもわかる。このレポートによると、アンケートに答えた者のうち、57%が実際に利用し、利用していないうちの33%もモバイルペイを知っていると答えている。次点のPayPalは同39%が利用し、その次のSwippに至っては利用者は14%に下がる。


使い方は簡単だ。自分のスマートフォンにアプリをダウンロードする。初期設定で、自分の携帯電話番号と銀行口座をリンクし、あとは、支払いの際に相手の電話番号宛に、金額を指定し「送金」ボタンを押すだけ。同じアプリを持っている人(モバイルペイの場合は、デンマークの銀行に口座を持ち、アプリをスマートフォンにダウンロードしていることが条件)間で、金銭授受が可能だ。1日の利用上限はデフォルトで約500DKK(約1万円)と決められているため(2015年9月現在、上限の引き上げが予定されている)、今のところは、大きな詐欺などの問題も報道されていない。


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