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【北欧で急速に普及した電子マネーの秘密】〜デンマークの「人を幸せにする仕組み」 3~

Japan In-depth / 2015年9月30日 11時0分



<なぜ急速に広がったか?>


2年ほど前に友人と食事に行った時に初めて「モバイルペイでもいい?」と聞かれて、それはなんだ?と思ったことを覚えている。ただ、使い始めてから、日常生活に必須のツールとなるまでに時間はかからなかった。使い始めのインストールのしやすさ、使い始めてからの使い勝手の良さ、また、利用者が多いこと(使える相手が多いこと)、相手の顔や会社名が送信前に確認できることでの安全性が確保されているなど、使い勝手の良さがトコトン追求されているのだ。この背景には、利用者中心手法を活用するデザイン戦略コンサルをダンスクバンクが活用したことも成功の鍵と評価されている。


このように、使い勝手の良さから、モバイルペイの利用は瞬く間に広がった。日常的に財布は持たなくてもスマホを持ち歩く現代社会人だ。デンマークでは、今までもダンカードの普及により、カードで用が足りてしまうケースが多かったが、少額決済には、機器設置などの課題もあり、やはり現金が利用されていた。モバイルペイは、その少額決済という決済取引の残りの数%に、攻勢をかけていると言えよう。


最近、デンマークのある市では、公共施設で現金決済が(ほぼ)廃止され、ダンスク銀行のモバイルペイが少額決済手段として公式に採用された。例えば、公共プールでの支払いが、カードかモバイルペイ支払いの選択肢のみになったということだ。また、個人間での利用はもとより、露天やフリーマーケット会場でも「モバイルペイOK」の張り紙を良く見かけるようになってきた。ふと見かけたフリーマーケットに欲しいものがあったけれども、現金の持ち合わせがないから買えない、そんなことはもう起こらない。財布を持たなくても、携帯を持たずに出かけることはほぼないから。


(この記事はシリーズものです。
【駐車場で“ポカ”を無くす工夫】~デンマークの「人を幸せにする仕組み」1
【サービスで必要な“心地よさ”】~デンマークの「人を幸せにする仕組み」2~
も合わせてお読みください)


トップ画像:フリーマーケットでも「モバイルペイ」使用可の表示が ©安岡美佳

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