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[遠藤功治]【日本車メーカーへの影響は軽微】~VWディーゼル車排ガス規制不正問題 3~

Japan In-depth / 2015年10月1日 7時0分

欧州では明らかに、ドイツ車に乗る購買層と、日本車を選ぶ購買層は違います。この間にクロスショッピングはあまり存在しません。多くのドライバーはVWがダメなら、やはりBMWかMercedes、Opelかせいぜいルノーあたりに移行するのであって、日本車にはなかなか回って来ません。また前述通り、米国では既に、VWの販売は弱くシェアも非常に低いのが実情です。VWの2%強のシェアが他のブランドに、ある程度散っていくことは考えられますが、その影響度を過大に考えると後で失望することになります。

その3、スズキにとっては痛しかゆし

先日、ロンドンの仲裁裁判所が裁定を出し、VWが所有していた19.9%の株のスズキ株をスズキに売却、スズキは約4,600億円をもって自己株として買い戻しました。その一方で、スズキも1.5%強保有していたVW株を売却、360億円強の現金を手にしました。VWの株価は中国の減速と今回の不正問題で大暴落、結果、スズキも想定していたよりも安い株価で買い戻すことが出来ましたが、同時にVW株売却に伴う現金の受け取りも、想定以上に小額となりました。

スズキは今回問題になっているディーゼルエンジンの技術を、VWから取得したかったので、最初に提携をした訳ですが、その欲しかったエンジンがこのような結果となり、心の内は複雑でしょう。結論から言えば、もらってなくてよかった、さもなければ、VW同様、プラットフォームやエンジンを共有化しているAudiやSeat、Skodaも不正対象に含まれたのと同様、スズキも今回の不正問題に巻き込まれたかもしれません。

(本シリーズ全4回、この記事は【“倒産”の可能性はほぼゼロ】~VWディーゼル車排ガス規制不正問題 4~に続く。【VWショック、発端は米国】~VWディーゼル車排ガス規制不正問題 1~,【米の厳しいNOx規制が引き金】~VWディーゼル車排ガス規制不正問題 2~も併せてお読みください。)

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