[林信吾]【スポーツと政治と移民問題】~ヨーロッパの移民・難民事情 その2~
Japan In-depth / 2015年10月8日 23時0分
もちろん、スポーツ界や芸能界において、移民やその子孫の活躍が目立つということは、一般企業への就職のハードルがまだまだ高い、という問題の裏返しではある。
また、私の個人的な意見として、移民が活躍することにより、人々の「心の国境」が消えて行くのは結構な事ではあるが、前述の、北朝鮮代表の場合は少し違うだろう、と思えてならない。拉致事件のようなことを引き起こし、今に至るも誠意ある対応を見せないような国が、大きな顔をして国際大会に登場することを、国際世論はどうして許しておくのだろうか。フェアプレーの精神と対極にあるのが、あの国の政治・外交ではないのか。こういうことを述べると、政治とスポーツは別だ、と反論する人が多いのだが、私は、それも違うだろう、と考えている。
本当に「政治とスポーツは別」なら、代表の国籍主義にこだわり、オリンピックやワールドカップを「国威発揚」の場と考え、その一方では移民の力に頼る− こういう矛盾した態度こそ、まず改めるべきなのだ。
(この記事は
【“移民”なくしてロンドンなし】~ヨーロッパの移民・難民事情 その1~
のつづきです)
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