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[Ulala]【仏、ディーゼル車対策に本腰】~“VWショック”で軽油税引き上げ検討~

Japan In-depth / 2015年10月11日 18時0分

[Ulala]【仏、ディーゼル車対策に本腰】~“VWショック”で軽油税引き上げ検討~

VW(フォルクスワーゲン)の不正の影響は、直接かかわる人はもちろん、ディーゼル車大国のフランス全体にもジワジワと広がっている。

フランスではディーゼル車が昔からこよなく愛されてきた。というのも「燃費もよく、燃料費も安く、長持ちする」と3拍子揃っており、ガソリン車に比べると断然、家計に優しいからだ。しかも1997年の気候変動枠組条約第3回締約国会議(京都会議)でCO2(二酸化炭素)の排出量目標が出てから、CO2の排出量が少ないことを理由に更にディーゼル車の普及が進んだ。ピークの2008年にはフランスの新車購入者の77%がディーゼル車を買っていたのだ。

反対に、日本やアメリカは1960年代にNOx(窒素酸化物)とHC(炭化水素)からくる光化学スモッグの問題が多発し、厳しい排気ガス規制が行われてきたため、1990年代にはディーゼル車はかなり減少していた。フランスに来たばかりの時には、あんなに日本では敵視されているディーゼル車がここにはすごい台数が走っていることにビックリさせられたが、驚く筆者にフランス人は皆口ぐちにこう答えたのだ。

「昔は空気を汚してたけど、最近は技術が向上したから大丈夫なんだよ。」

確かに、それは多少事実かもしれない。しかし実際は、いくら少しは改善したと言っても、まだまだガソリンエンジンに比べれば汚染物質の排出量は多いのだ 。とはいえ、フランスを含めるEU全体がディーゼル車を支持していたため、問題があると言う認識はかき消されていたかもしれない。

EUは、環境保全のためにガソリン車に切り替えることを選択するよりも、CO2の削減を重視してディーゼル車を使い続けるが、技術で汚染物質を減らしていくことを選んだ。そして排気ガスに関する規定を段階的に達成していくことを目標とし、1993年にEuro1を厳守させた。徐々にその規制値を上げて行き、遂には2014年からEuro6が始まったのだ。2017年にはEuro6ステージ2と更に厳しくなり、自動車メーカーはこのEuro6に準拠するクリーンディーゼルを作ることが求められる。

だが、そう簡単に事は進まない。排出ガスをクリーンにしつつ性能を維持することに限界を感じ、技術的についていけないと悲鳴を上げる会社も出てきたのだ。

だいたい2009年から始まったEuro5の時点で、NOxの排出が0.18g/kmに下げられて達成されているはずが、路上の走行で計測してみるとなぜか値が高い。国際クリーン交通委員会(ICCT)が発表したレポートによると、実際には基準値の7倍ものNOxを排出している車があるそうだ。試験値はあくまでもある一定の条件の時なので、実測値とは違うとは言われているが、それはおかしいのではないかと前々から問題にはなっていた。

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